10月30日(水)

 いよいよ明日はハロウィン本番。

街中は既にハロウィン本番のようで、あちこちの飲食店でオレンジ色の装飾が見られる。期間限定と、デカデカと掲げられている看板や、ネオンで溢れている。


「んーんひー」

「うま」


 今日はお互いにバイト。予定より早く上がれたミクが私のバイト先まで来てくれたので、モックでハロウィン限定のバーガーとサイドメニューを食べることに。

 

 限定のクロワッサンのバンズにトマト、チーズ、パティ、たっぷりのレタスに秘伝のソース、丁度真ん中から舌に見立てたカリカリのベーコンが飛び出している。

サイドメニューはカボチャポットパイ、上のパイ生地がまだサクサクなうちに食べるのが好きだ。


「今日と明日で限定のアイスがあったから、お客さん多くて」

「スーパーはお客さん少なかったよ」


 今日のバイトはアイス屋さんだったらしい。

 限定フレーバーは、安納芋、カボチャ、コットンキャンディーの三種類で、特に安納芋が人気らしく、ミクの髪から安納芋の匂いがするくらい。

個人的にはコットンキャンディーが気になるところ。


「コットンキャンディー貰ってきたから、あげるね」


 ナイス。


「あのお菓子ニュースになってたよ。お父さんのところ」

「あー見た。大人気らしいね」

「嬉しい?」

「嬉しいけど、お父さんが何に関わってるのか知らないから、自慢したくなるほど嬉しいとかではないかな」

「ふーん」


 人気の菓子メーカーに勤めるミクのお父さんの部署は海外と日本の支社を行ったり来たりしていて、営業をしているのかもっと上の役職の人なのか不明。

でも、あの家を見たら絶対に役職のある人なんだろうなー、と勝手に思っている。


3階建ての平家で、広さもあって、庭もあって、防犯設備も万全で、家具家電も最新。ミクの父親は極度の心配性らしく、よく出張で家を空けることがあるため、家にお金をかけたらしい。


「あれ、風邪のニュースも最近よく見るよね」

「謎の高熱ね」

「インフルエンザのワクチン受けないといけないのに、風邪もらいたくないなー」

「ワクチン受けるの?」

「毎年行ってる!バイト先からも行くように言われてるし」


 注射が苦手な私は小学生以来、ワクチンは打ってない。刺される時の痛みに耐えられないし、過去には注射が苦手な看護師さんに何度も刺されたことがある。

それに、注射のことを考えるとお腹が痛くなる。


「謎の風邪って若い世代に多いらしくて、ミクたちも気をつけようね」

「うん」

「ネットニュースでさ、若者は無意味に出かけたりするからとか言われてて、ムカつく。大人だって飲み会とか夜遅くまで出かけてるくせにさー」

「発症してる人が多いだけで、大人にも発症してるはずなのにね」


 ネットニュースでも話題になっている、謎の高熱のニュース。

噂では、死亡者も出ているらしい。早い終息を願うばかりだ。

















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