10月29日(火)

 ───コマダ珈琲店内


「どでかアイスウインナーです。ごゆっくりどうぞー」


「「ありがとうございます」」


「何作ろうかなー」


 ハロウィン当日に作る晩御飯の献立を考えているところ。

食べたいものはたくさん出てくるけれど、作るのが難しそう。


「リビングでパーティーしようね」

「うん」 

「料理は私に任せて!なーんでも好きなもの作ってあげる」


 と言われたからにはなんでも作ってもらおう。


「グラタン、ハンバーグ、パンプキンケーキ」

「グラタンにはバゲットだよねー」


 材料や作り方、盛り付けを考えているミクは楽しそう。

 料理はミクの趣味で小さい頃からキッチンに立っていたらしく、高校に持ってくるお弁当も毎日ミクの手作り。

得意料理はだし巻き卵で、お弁当には毎日違うだし巻きが入っている。

 昨日は明太子だったな。


「この後スーパー行こう」

「今、何時?」


 スマホの液晶には13:54、の表示。

うちのスーパーは16時からタイムセールがあって、さらに従業員割引が使えるからとてつもなくお得なんだけど、どこから来るんだと思うほど人が来る。


「16時からうちのスーパー、タイムセールしてるんだけど……」

「じゃあ、より16時前に行こう」

「ありがとう」


 人混みに行かなくてもいいと思ってホッとした。

買い物リストを作ってくれて、手分けして買い物することに。普段、料理をしないから商品名まで書いてくれた。

どのコーナーにあるかはわかるものの、商品の使い道なんて考えたことがないから、買い物に行くたびに勉強になる。


「料理できるようにならないとなー」

「レシピ見たら誰でもできるよ」

「簡単に言わないで……」


 私は千切りがどんなものかは知ってるけれど、千切りになる工程がわからないし、メンチカツとコロッケの違いが肉以外わからないし、中火と強火の違いがわからない。

 出来上がった料理を見て真似して作れるミクがすごいと思えるし、私がお弁当を作ると冷凍食品ばっかりになる自信があるから尊敬しかない。


「今度、料理教えてほしいな」

「いいよ!何作りたいの?」

「スンドゥブチゲ」


 辛いものが好きで、休日には美味しいものを求めて街中に行くことも。

中でもスンドゥブチゲが一番大好きで、市販のものも買ったことがあるけれども、もっと辛味と旨味が欲しい。

調味料を追加して仕上げたいけれど、塩を追加したらしょっぱすぎたし、砂糖を入れたらよくわからない味になったことがある。酢を入れてみたこともある。

それ以来、自分で余計なことなしないと誓っている。


「作ったことないから一緒に作ってみよう」

「ぜひ」


 














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