10月27日(日)
───次のニュースです。
原因不明の発熱により苦しむ人が増えています。
5歳から10代の若者にこの症状が多く見られています。
ハロウィンも近いので、手洗いうがいはもちろん、外出時にはマスクをするなど、感染対策を行なっていきましょう。
せっかくの楽しいイベントの前なのにと、テレビの電源を消した。
「行ってきまーす」
あと3日でハロウィン本番とういこともあり、レジを通っていく大抵の人の買い物カゴの中にはお菓子が入っていた。
「マナちゃん、休憩行っていいよ」
「今日、10時から15時なので大丈夫です」
ならお菓子あげる。とパートさんからクッキーを貰った。
「ハロウィン近いじゃない。うちの子も友達とお菓子交換するって張り切っててね。マナちゃんもハロウィンは何かするの?」
「放課後に友達と渋谷に遊びに行きます」
「若いねー。おばちゃんも若い頃はカラオケに集まって、パーティーみたいなことしてたなー」
パートさんとお喋りしていると、どんどんお客さんが増えて、2人で1人のお客さんを対応しないと追いつかなくなった。
「お昼のピーク、すごかったねー」
「すみません。このお菓子、探してるんですけど……」
やっとお客さんが途切れたと思ったら、商品を探す中学生くらいの子どもがやってきた。
その子が見せてきたスマホの画面には、ミクのお父さんの会社のお菓子が写っていた。
「私、ちょっと行ってくるわね」
「お願いします」
パートさんとその子は一緒にお菓子コーナーに向かって行った。
───
「マナちゃんごめんね、陳列手伝ってもらってもいいかな?」
「はい」
レジ休止中の札を出して、パートさんの後に続いた。
「さっきの子が欲しがってたお菓子が丁度売り切れで、バックヤードまで取りに行ったのよ。人気の商品みたいだし、並べちゃおう」
昨日、街中で見かけたお菓子は、うちのスーパーにも。
パートさんが言うには、この限定パッケージは日本で、東京限定で販売されているらしい。
県外からも、この限定パッケージを買いに来る人たちがいるんだとか。
「おばちゃん、こういうお菓子食べないんだけど、美味しいのかな」
「すごく甘そうですよね」
「そうなのよ、甘すぎるの得意じゃなくてね。子供に買ってこうかな」
パートさんも15時上がりだそうで、陳列の後に一緒に買い物をした。
「マナちゃんも、ひとつどう?」
「私は、大丈夫です。お疲れ様でした」
パートさんが娘さんのために買ったお菓子の封を開けて、私にひとつ取り出してくれたが、断った。
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