第27話 桜杯⑤

「『どっかーん』」


と魔法が放たれて大爆発&散弾が飛び散る。


「それ魔力消費やばいんじゃないの?」


「あー大丈夫、これ簡略版だから」


「は?」


「『どっかーん』」


というとさらに爆発が起きて辺りに破片が飛び散る。

もうめちゃくちゃだ。


「それを乱戦にぶち込めばいいだろ」


「そんなことをするよりお前と遊んだほうが楽しい」


「勘弁してくれ」


シールドを前のほうに入って真也に近づく。

そのまま刀で攻撃しようとするのだが、こいつもこいつで近接攻撃ができるから普通に対処される。


「あぁ~めんどくせぇ」


「よく言うよ。こんだけ攻撃しても無傷だなんて」


刀で攻撃を続けるが真也の周りに浮遊している剣に遮られる。

そして剣に弾き飛ばされたところにあの『どっかーん』がくる。

当然、シールドで防御する。そのままシールドを真也に向けて飛ばす。


とはいっても対して大きなダメージにならない。そのそもシールドに攻撃性能はないから当然なんだけどね。


「それうざい」


「でしょうね」


シールドを飛ばしながら隙ができたところに刀で攻撃を繰り返す。真也からしたらうざいったらありゃしないだろう。


そして攻撃を繰り返して繰り返してを続けてこの状況に慣れた瞬間に、また刀で攻撃しする。今まではヒット&アウェイだったが今回は違う。


「『シールド』」


シールドを足場にしてもう1回真也を攻撃する。今までの状況に慣れていたからか真也の反応が若干遅れた。真也の周りに浮遊している剣の間をすり抜けて胴体に一発入った。


「びっくりした?」


「くそっ、ただじゃ終わらない」


胴体に致命傷が入った真也が乱戦をしている方に向けて魔法を放つ。


「…二人だけか」


そのまま真也が脱落。真也が最後に撃った魔法で乱戦をしていた5人の内2人が脱落した。


「無詠唱いけんじゃん」


なんて呟きながら突っ立っていると攻撃がきた。

5人から3人になった乱戦からの流れ弾だ。


「さて、そろそろ終盤だし俺もマジにならないとな」


てなわけで乱戦に再び参加する。ぶっちゃけ残っているメンツで綾人以外は戦ってみたいとは思えない。というか真也を倒しちゃった手前、いつもの三つ巴ができない。となるとやれるのは綾人との一対一だけだ。


「それじゃ、サクッとやっちゃいますか」


てなわけで綾人の魔法攻撃に気を取られているうちに残った雑魚2人の首を落とす。


「………楽しそうだな」


「わかる?」


「顔に出てるぞ」


「そっか」


てなわけで最後の綾人との一対一だ。

綾人が打ってくるであろう手はだいたい知っている。つまりこの勝負は自分の順守イな戦闘力で勝負が決まる。


俺にはまだ"手"がいっぱいあるけど、どうせ綾人のことだから普通に対処されるだろう。というかトリッキーなことをしていたら普通に自力勝負で負ける気がする。


「それじゃっ」


と言って綾人が魔法を放つ。


「『ノヴァ』」


「最初からかよ」


しょっぱなから大技を出してきやがった。

だけど俺のシールドの王が一枚上手だ。

そう思いながら魔法発射直後の隙を狙って走ると


「『ノヴァ』」


「は?」


またぶっ放してきやがった。

2回もこのレベルの魔法を受けるとさすがにシールドも限界だ。


それにシールドで攻撃を相殺できても、運動エネルギーまでもは相殺できない。


「『ノヴァ』」


爆風に吹っ飛ばされながらシールドを張りなおす。こうなってくるとシールドも意味をなさない。


「よし」


てなわけでシールドを解除。そのまま全力で走る。


「『ノヴァ』」


「させるかよ」


飛んでくる魔法めがけて刀を投げる。

俺のところに来る前に暴発させれば問題ない。


暴発した魔法に飛ばされた刀をそのままキャッチして綾人に近接攻撃を仕掛ける。


いくら近接戦わを普段からしているとはいえ、まだ俺の方が強い。だけど綾人には魔法がある。


当然、綾人も近接で対応しながら魔法を撃って多角的に攻撃してきた。


「当たるかよ」


後ろから飛んできた魔法を躱してそのまま攻撃を続ける。だんだんと俺の方が優勢になってきた。


「『ノヴァ』」


「まじ?」


突然、綾人が自爆覚悟で魔法を撃ってきた。

反射的にシールドを張ったおかげでなんとか助かったが爆風で吹っ飛ばされてしまった。


「『※菴ソ縺?◆』」


よくわからない詠唱を呟いた後あたり一面に魔法陣が展開される。おそらく喋ったのは短縮詠唱だろう。


これなら一回の詠唱で複数の魔法を出せる。

とは言ったものの


「この量はやばいな」


流石にこの量の飽和攻撃はまずい。

しかも一つ一つの魔法が即死級なのだから理不尽極まりない。


「躱せきれるか…?」


ここで距離を取ろうものなら相手の思う壺だ。魔法に突っ込みながら躱す。

まあ、それが出来たら苦労しないんだけどね。


「『シールド』」


保険のシールドを展開して迫りくる魔法に向かって走る。

最初のほうは躱しきれていたが綾人に近づくにつれて魔法の量が増えていく。

当然躱せない魔法も増える。こうなってくるともうシールドがどれだけ耐えれるかの問題だ。


「抜けたっ」


魔法の雨を抜けた。

あとは刀で綾人を倒すだけ。


そう思っていた。


「『ノヴァ』」


「それは違いますやん」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る