第7話 ゴールデンウイークが終わり

結論、師匠になるような人はいなかった。



F○CK!!!



なんでないの?一つぐらいあってもいいじゃん。

なんて思いつつ仕方がないので我流でひたすらダンジョンに潜ることでしか強くなれないことが確定した。


そしてもう1つ、とあることが判明した。

俺が買った短刀、実は実戦用ではなく観賞用だった。


まあ実戦使えているから問題はないんだけれどさ、今の世に近接戦闘をやっている人がいるのかって話ですよ。

特に国内に。海外には一定数剣士がいるらしいけれど日本国内に目を向けると全然いない。というか海外ですら魔法との併用がベースだからナチュラルに近接戦闘ってなると世界中を探してもほぼいないことが判明した。



さて、師匠枠が潰れたってことは俺の二次関数的な成長イベントが消えたわけだから必然的に定期考査明けのトーナメント戦には間に合わない。


「一応参加するって言っちゃったけどさ、どうせ負けるし意味なくね?」


なんて考えつつ現在はダンジョン6層目を攻略中。

初日と比べると見違えるレベルで強くなってはいるのだが如何せんまだ弱い。

特に魔法を撃つ相手に対して未だにシールドで対処しなくてはいけないというのが現状だ。


できることならシールドを使わずに対処したい。それこそ剣で魔法ごと斬るとか単純に避けるとかをできるようになればある程度変わると思う。


まあそれをできるようになるにはやはり日々の基礎錬が大事たと思い知らされる。それこそダンジョンに潜るよりもジムトレーニングとかで筋肉をつけたりするとかね。

まあ、それができたら苦労しないのだが...


一朝一夜で筋肉がついて変わるのなら楽なのだが現実は思ったよりも大変で筋トレをしてから1週間がたった今でも実感は沸きつつも未だに自分自身に不満だ。


こうなってくると筋トレよりも身体強化の精度を上げたほうがいいのではないかと思ってしまう。というか身体強化をもっと頑張ればなんとかなれそうなきがする。


となると、筋トレよりも魔力のトレーニングだったりのほうがいいんか?なんて考えつつ6層もクリア。7層目の攻略に入る。



7層は俺が今まで下りたことがある最高到達点。とはいっても小4の時に父親に連れて行ってもらっただけで攻略したのかといわれると結構微妙なところ。

とはいってもその時にモンスターを倒したの全部俺だったし、あの時のことを客観的に見ると攻略したとはいってもいいんじゃないかなって思える。


それに小4のときに7層ってことは今は10層ぐらい行けそうな気がする。あくまで魔法に頼ったらの話だけれどね。



「それじゃあやるか」



と7層の攻略に取り掛かり始めた。





今日は層まで攻略ができた。

といっても本来なら9層まで行けたところを8層で切り上げたから実際は9層目まで行ったといっても過言ではないだろう。

そしてなぜ俺が8層で切り上げたのか、それは今日は身体強化の訓練をするためである。


身体強化の訓練で一番手っ取り早く鍛えれるのが瞑想だ。瞑想といってもただ眼を瞑るのではなくて体内の魔力を活性化させながら瞑想する。

これをやると身体強化の出力が上がる他、特定部位の身体強化など結構器用なことができるようになる。


普段から30分ほど瞑想をしているが今日は早めに切り上げたおかげもあって1時間はできる。というわけで早速瞑想スタート。


体内の魔力に集中しながらそれを血液のように体中に巡らせるイメージ、それをずっと続ける。それと同時に体に巡らせた魔力を動かす。

具体的には胸→腹→足→足→腹→手→頭→手→胸の順番に動かす。この動かす順番は別に自由だけれどなるべく体中の魔力を動かさないと特定部位の強化の際に苦手な部位ができたりしてしまうから気を付けないといけない。

そういった風に瞑想を続けると終えたころにはかなりの成長を感じるようになる。


それを繰り返すと身体強化の精度が上がっていく。

ゴールデンウイーク中は1時間やろう。そう決意して毎日のように瞑想を続けた。


そして





ゴールデンウイーク終了。


長いようで短い連休がおわり、今日からまた学校がスタートする。

ゴールデンウイーク中の成果といえば、近接戦闘がある程度のレベルまで完成されるようになったことだろうか。

あとついでに筋肉も付いた。それと身長がちょっと伸びた気がした。


「久しぶり~」


連休が明けて久々のクラスメイトとの再会。日焼けしたもの、髪を切ったもと様々だ。

そしてゴールデンウイーク明け最初のホームルーム、


「定期考査とトーナメント戦が近づいてきているから各自準備するように」


とのことだった。

定期考査はまあいいとして(良くない)、問題はトーナメント戦だ。


近接戦闘が俺の手札に加わったおかげである程度戦えるようになったがそれでもまだ対人戦は試していない。


「今日の放課後、訓練場行く?」


「おっ、久々に湊も行くか?」


「うん、試したいことがあってね」


「へー気になる」


というころで今日が近接戦闘のお披露目だ。




授業が終わり放課後、早速訓練場に着いた俺たちは各自ウォーミングアップを始めている。久々の訓練場というわけで俺自身ちょっとワクワクしているが、今日はあくまで近接戦闘が通じるのかというテスト。

平静を装いつつ、早速フィールドに上がる。



「何それ」


「武器」


「見たらわかるよ、刀じゃん。

めっちゃかっこいい」


「あとで写真撮る?」


「撮りたい」



そして試合が開始した。






結果、20戦16勝。


想定外の勝利数だった。

近接戦闘と無属性魔法の併用で互角になればいいなって思っていたがまさかの圧勝、最後のほうになると申し訳なくなってわざと手を抜いていた。



「湊めっちゃ強くなってるじゃん」


「自分でも驚いてる」



そう、想定外なのだ。

いやまあうれしい想定外なのだが、如何せん不安になってくる。


「ガチで手を抜いてるとかじゃないよね?」


「最初はちょっと手を抜こうって思ってたけど途中からはガチでやってたよ。

てか湊のほうが手を抜いてたじゃん」



というわけなのでおそらくは手を抜いているというわけではないだろう。

となると俺の実力(?)が2週間かそこらでこんなに強くなるのかという疑問がとても心配になってくる。


ひとまずはもう遅いのでお開きになった。

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魔法全盛期のこの時代を逆行するかのような男が俺です(旧:最強の俺がいろんな人をボコボコにしたら大量のアンチがついちゃった件) ヤンミョムチキン @41922

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