第5話 ゴールデンウイーク①
ゴールデンウイーク初日
基礎体力を鍛え続け早一週間、もともと体を鍛えていたことも相まって明らかに強くなった。走る速度も上がったし、握力、腕力etc...がついていることを実感している。
となってくるとやることは実戦、とはいってもいきなり対人戦をやるってわけじゃない。
やはり最初はダンジョンで肩慣らし。特に俺みたいな初心者はダンジョンの雑魚狩りから始めることが多い。
というわけでダンジョン行ってきます。
と、その前に近接に使う武器を買おう。これでも名家の息子なわけだからお小遣いは多い。
ダンジョン近くの武器屋に行き武器をいろいろ見ていく。
両手剣、片手剣、長刀、短刀、手斧、ハンマーと色々な武器がある。
個人的には片手で扱えるものがいいし、となると買うべきは片手剣か短刀か手斧。
個人的に刀のほうが使いやすいような気がする。
片手剣と比べて短刀のほうが軽いし使いやすそう。それにやっぱ日本人だし刀に対するあこがれがある。とはいっても他のも捨てがたい。
「どれにしよう」
考えて、考えまくった結果、刀にした。
「まあ、使いづらかったら買い替えればいいし」
なんて考えているのは内緒だ。
◆
ダンジョンに到着して早速第1層目、基本的にダンジョンごとの難易度に違いがあれど1~2層は初心者向けといわれているのが常だ。
魔法を使うのであれば余裕で7層ぐらいまで行けるが今日は近接を鍛えるために来ている。
だから行けたとしても今日は2層目までしか行かない。
1層目はスライムやネズミ、ウサギなどの雑魚モンスターが多い。多分この程度なら小学生でも簡単に倒せる。
かくいう俺も簡単に倒せた。途中途中で現れるモンスターを刀で対処しつつ奥へ進む。
ある程度進むと大きな扉が見えてくる。各層のボスだ。ここの階層のボスはキングスライム。
図体が一般的なスライムよりも大きく、他のスライムとは違い複数の触手で攻撃をしてくる。ちなみによくエ○漫画のネタにされてる。
このボススライムが戦闘訓練としてはかなり優秀。
触手の攻撃はある程度速度はある者の触手がスライムなだけに攻撃力はそこまで高くない。よって刀で捌けなかったとしても致命傷にはならないし、なおかつ触手を対処することである程度の戦闘経験を積める。
さらに言えば俺自身には最悪死にそうになったら魔法を使えばいいやという思考があるから割と積極的な攻撃を仕掛けられる。
左右か来る攻撃をかわしつつ懐に入り込んでスライムの身に刀を入れる。
そしてまた距離をとる。
この繰り返しをするとだんだんボススライムが小さくなっていく。
スライムは特性上、自分の体積=自分の残存魔力であるためこうやって消耗戦を仕掛けていくとだんだん小さくなっていく。
そして当然小さくなった分速度が上がる。
そしてそれを対処していくうちにだんだん速度にも慣れていき戦えるようになる。
結局、10分間しっかり消耗させ続けボススライムを削り切った。
◆
「疲れた~」
やはり実戦は違うというべきか、ボススライムを倒すころにはかなりの疲労感が体に伝わってきていた。
おそらく精神的な疲れだろう。10分間ずっと戦う、それも近接戦闘となるとかなりの精神的疲労が蓄積される。
とはいってもまだまだ肉体的には問題ない。とりあえず2層目に降りていきそこで休憩しよう。
ここにずっといるようじゃ他のスライムボスを倒したい人が迷惑だ。
そう思いながら階段を下る。
階段を下りた先には相も変わらず洞窟が広がっている。
いったん会談の降りた先で座り込んで心を落ち着かせる。
深呼吸、深呼吸、深呼...
息を吸って吐く内にある程度楽になった。
となれば前進あるのみ。2層目の攻略に取り掛かろう。
2層目は1層目とは違いある程度の攻撃力があるモンスターが多い。
いわゆるゴブリンとかコボルトといった小型の人型モンスターだ。
コボルトやゴブリンは基本的に集団で行動していることが多く今回の場合1対多数の戦いになる。まあ人数不利があれど1匹の戦闘力が低いためこれもあまり苦労せず倒せる。
問題は2層目のボスだ。ゴブリンキングと呼ばれる2層目のボスはいろんな意味で初心者からは厄介な相手だといわれている相手だ。
厄介というのも、まずゴブリンキング自体の戦闘力が高い。本来なら1メートル前後のゴブリンに比べゴブリンキングは約3メートルの図体がある。
そんな巨体から繰り出される1撃はまともに食らうとかなりやばい。
そして2つ目にゴブリンキングはゴブリンを無制限に召喚できる。
これだけでも厄介なのにさらにゴブリンキングに召喚されたゴブリンは連携が凄まじいというお墨付き。
ただでさえゴブリンキングに意識を割きたいのに周りからゴブリンがちょっかいでも出して来たらたまったもんじゃない。
そんなわけでゴブリンキングは初心者の中では嫌われている。
逆に言えばこれを難なく倒せるようになったら脱初心者。
「よし」
呼吸を整えてボス部屋に入る。ゴブリンキングとともにボス戦が始まった。
◆
やっぱり狙うはゴブリンキング。
いくら無制限にゴブリンを召喚できたとしても連携をとれる人数は限られている。
とりあえず召喚された7体のゴブリンは無視して狙いはゴブリンキングに定める。
ゴブリンキングの攻撃をいなしつつカウンターを狙う。
周りからの攻撃は躱すだけで基本的に無視。ただひたすらにゴブリンキングへの攻撃を考える。
ただでさえでかい図体で戦っている上、大きな斧での攻撃。体力の消耗スピードも激しいし、大振りな攻撃は隙がでかい。
攻撃の精度が落ち始め、攻撃をいなした瞬間にゴブリンキングの足を狙う。
図体の大きい敵はまず足の筋肉を狙うのが定石。
3メートルある体を支えている筋肉を突然切られたら当然バランスを崩して相手は倒れる。
相手が倒れたのならばあとは簡単、脳天に刀を突きさしてチェックメイトだ。
◆
その後も2層のゴブリンキングに挑み続け今日のダンジョン攻略はやめにした。
「魔石の換金ですね。合わせて1000円です」
いくら魔石をたくさんゲットしたとしても所詮1・2層では端金にしかならない。
とはいっても俺の目的はお金ではなく戦闘経験だから問題ない。
ひとまず今日1日でゴブリンキングを簡単に倒すことができるレベルにはなった。
武器の短刀も自分に合っている。
ゴールデンウイーク初日にしては十分な結果だった。
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