第3話 戦闘訓練
フードコートで昼飯を食べた後、いったんお開きになり午後は各自で集まることになった。
俺はというと昔から交流がある友人と市が運営する訓練場に行くことになった。
訓練場に到着、受付で運動着を借りて着替える・
「それじゃあ久々だしガチでやろう」
「おっ、いいねぇ」
友人との久々のガチバトル。とうわけで俺も本気を出すべく指輪を嵌めてフィールドの上に上がる。
「その杖って新品?」
「入学祝いにもらった」
「へぇ」
駄弁りながらお互いに構える、そして開始の合図とともに魔法を展開。俺たちは久々の実戦を楽しんだ。
◆
「やっぱつえぇ」
「楽しかった~」
結果は俺の勝ち。とはいっても久々なだけあって体がかなり訛っているような気がした。
「湊のシールド硬すぎ。全然割れないんだけど」
「伊達に無属性魔法ばかり練習しているからね。
というか真也さぁ、お前弱くなった?」
「げっ、やっぱり?」
「魔法の威力は強くなった気がするんだけど...なんか前より戦いやすかったような気がする」
「あー言われてみればそうかも。前よりも動きが単調になってたかも」
「お互いに課題ありか...」
「それじゃあ2回戦目やろう」
「オッケー、次はもっと早く決着をつける」
「いうなぁ、今度こそ勝ってやる」
その後、5回ほど戦った。さすがに最後のほうになってくると疲労で動きが鈍くなっているのが身に染みてわかった。
「俺もしかしたら前より体力落ちてるかも...」
「俺も...」
自分的には8戦連続で行けると思っていたが現に5戦で限界になっている。何なら最大出力で戦えたのが4戦目までだからこれが本番なら5戦目はアウトってわけだ。
「明日から鍛えるか...」
「俺も鍛えないと...」
そしてそのまま解散になった。体力も限界というわけで訓練場から家に着いた頃には睡魔にも襲われて夕飯を食べた後に風呂で眠りかけた。(結構危ない)
そしてそのまま何も考えず布団に飛び込んだら最後、俺の意識は遠いところまで落ちていった。
◆
目が覚めると朝の7時半。ちょっと寝坊した。
布団から抜け出して洗面所まで寝ぼけながら行き、顔を洗う。そしてそのまま制服に着替えて朝食を食べる。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。昨日は大丈夫だったか?」
「あんまり記憶がないです」
「昨日はどんなに声をかけても生返事ですたもんね」
「大方、久しぶりに友達と戦っていたんだろう?」
「はい」
「別にそれは自分の勝手だがやり過ぎだ。自分の限界を客観的に見なさい」
「すんません」
居間にはすでに親がいてそれぞれ朝食を食べていた。いつもこんな雑談をしたりりながら朝飯を済ませ、身支度を済ませた後学校に行く。
「それじゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃーい」
ありがたいことに家から学校まで20分ほど歩けば着く。
ゆっくり学校まで歩いていって途中で綾人と合流することにした。
「おはよう。寝れた?」
「そりゃもう、ぐっすりと」
裕也と普段待ち合わせているコンビニ前で合流し、雑談しながら登校する。
「昨日のあれで筋肉痛だよ~」
「俺も、特に足がやばい」
「体育があったら終わってたな」
「それな。今日はほぼ全部オリエンテーションだから楽」
そんなこんなで学校の到着。教室に着くともうすでにかなりの人数が席についていた。
「おはよー」
「おはよう。1限ってなんだっけ?」
「魔法史」
「オッケー」
ロッカーから昨日もらった教材を取り出して着席、その後すぐにチャイムが鳴った。
◆
「それじゃあ、これで今日はおしまい。明日から本格的に授業をしていくからな」
1限から4限まであっという間に終わり時刻はちょうど昼休み。
さすがは進学校なだけあって、先生の話は面白いし授業は楽しいしで今のところ不満点は1つもない。
「お昼だー」
というわけで弁当を取り出してランチタイム。クラスの近くの人同士で集まって昼飯を食べる。
そしてその後はグラウンドに移動。ありがたいことに学校が昼休みのグラウンドの使用を許可しているので外で遊ぶ。倉庫においてあるボールを使ってサッカー、キャッチボールect...
同じクラス同士で集まってサッカーをすることになった。
午後の授業も午前とほぼ変わらず、オリエンテーションだったり1年間の学習の流れだったりを説明するだけだった。
こうなってくるともう1日が終わるのかと感じる。気づけば6限も終わり、下校時間だ。だがこの学校には他の学校にはないものが存在する。それが訓練場だ。
この学校は実践的な魔法の学習というのをモットーにしているらしく、当然授業では魔法の学習だったりをする。そして放課後にはこの訓練場を生徒や学校関係者にのみ解放、自由に使っていいそうだ。
そうなれば俺たちがやることは決まっている。早速、放課後に訓練場に行き、裕也や他のクラスメイトと戦闘訓練を行う。
「戦闘訓練やるのちめっちゃ久しぶり」
「俺も。もう1年はやってないかも」
「下手になってたらどうしよ」
と会話しながら制服から運動着に着替えて各自1対1でフィールドに上がる。
「それじゃあ始めますか」
「ばっちこい」
それから俺たちは毎日放課後に訓練場に行くようになった。本来なら町の訓練場に行かないといけない手間が学校に訓練場が備わっているおかげで省ける。
魔法全盛期の現代でみんな魔法を覚えてはそれを使って遊んでいたりするわけで、そんな俺たちが毎日魔法を使えますよって言われたら当然っちゃ当然かもしれない。
「見てー、新しい魔法」
「かっこよ」
こうして魔法で遊びに遊びまくった結果、いつしか訓練場の俺の勝率は下がっていった。
当然だが毎日新しい魔法を練習し覚えていく周りとは違って俺には新しく学ぶ魔法もなければ、今覚えている魔法のバリエーションが多いわけでもない。
当然訓練場に行った回数が増えていくたびに負ける回数が増える。そしてそのまま実力も相対的に下がっていく。
よくよく考えたら今まで俺がみんなに勝てていたのはただ魔法に対する興味を抱いたのが早かったからなのかもしれない。みんなより魔法について勉強し始めたのが2年ほど速かっただけ。いわゆる早熟型ってやつだ。
いつしか1度も勝てなくなった。
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