七月
二〇二九年七月一日
俺も「日記の男」と同じになっている。一年前は考えもしなかったのに。
でもべつにいい。
二〇二九年七月三日
車検が切れると連絡がある。どうでもいいもう乗らない。
二〇二九年七月五日
テリーさんからの着信がうるさいから拒否設定した。俺は最後まで河童の国にいる。
二〇二九年日七月七日
酒の溺れて、でいすいしている時だけがたのしい、わすれられる、
二〇二九年七月九日
Tシャツを捻ったものを繋げてロープを作っていたらしい。昨日のおれは
二〇二九年七月十二日
やっぱりこのマンションはいい。
二〇二九年七月十四日
うめた
たいへんだった。
二〇二九年七月十六日
人生スタートしたのだ。
二〇二九年七月十八日
ドアの前で、白い顔をしたおばさんがニヤついている。先日も見た女だ。
「お住まいはどうですか?」と聞かれた。
「とてもいいですよ」と答えた。
今このマンションの大家そしている対馬眞子だったらしい。顔を見たのは初めてだった。
二〇二九年七月二十一日
責め立てられる。女の声に責められる。
二〇二九年七月二十二日
「日記の男」はそれから河童になれたのだろうか。
二〇二九年七月二十三日
座敷に女が二人立っている。二人とも対馬眞子の顔をしている。ニヤついたまま、いつもの声で責めてくる。
二〇二九年七月二十四日
あっちに行けば責められないだろう。
二〇二九年七月二十五日
テリーさんがマンションに押し掛けてきている。どうやって部屋番号を知ったのかと聞けば、しらみ潰しに部屋を回ったと言う。
訳もわからないまま俺はマンションを連れ出される事になりそうだ。テリーさんが何を言ってるのか聞き取れなかった。
もう少しでこのマンションのことが全部、わかる気がするのに。
スターーーとできそうだったのに
せめてこの日記だけは あそこに
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