第16話見てる人はちゃんと見ている

それから水澄は仲のいい友達のもとへ向かった。俺も水澄に認められてるなら、もっと精進しないとな。俺の唯一の特技でもある剣術の腕を磨こう。


「くそ、るなちゃんはきっと柳生に脅迫されてるに違いない。俺達が助けてやるんだ」


なんで水澄より弱い俺が水澄を脅迫する考えになるんだよ。都合よく考えすぎだろ。たんにお前らが一人の人をバカにするから、離れていっただけだろ。無水を心酔しないところは評価できるが、やはり俺をバカにはするらしいから、結局あまり変わらないってことだな。


俺はそう思いながら、料理を取りに行った。今度は何を食べようか。フレンチもあるのか。この野菜のソテーを食べよう。それと肉じゃがだな。やっぱり日本人なら、日本食を食べて本当に食に力をいれているか確かめるべきだよな。


席に戻ってくると、俺はまずソテーを食べた後、肉じゃがをたべた。すると俺は目を見開く。こんなに美味しい肉じゃがは食べたことがない。ジャガイモホロホロと溶けて、ほどよく砂糖の甘さが広がる。これこそ本物の肉じゃが!


「持ち帰り確定だな」


それからピーマンの肉詰めやステーキなどを食べた。そしてある程度食べたところで、デザートに手をつけることにした。パフェからバニラアイスまでなんでもある。


ここはバニラアイスでも食べるか。きっといいミルクを使っているに違いないしな。その前に持ち帰れるものを持ち帰るか。俺はタッパーを取り出し、おかずをいれていく。周りに貧乏くさく見られるが、中学生のときから、こいう視線で見られていたので今さらだ。


ある程度タッパーにしまい終わると、俺はアイスを食べることにした。フランスのパティシエが作るバニラアイスか。さぞ美味しいことだろう。俺はワクワクしながら、アイスをカップにいれて、席に戻り、一口口に入れる。上品な甘さが口の中に広がる。これが本物のバニラアイス。まさしく至高の逸品だ。


それからパフェも食べて、お腹いっぱいになって、満足していると、友達と分かれたのか水澄が来た。


「すごい食べたみたいだね」


「そりゃこんだけ美味しい料理が並んでいたら、お腹いっぱい食べたくなるものだろ」


「それもそうだね。それにしても隆之助先輩は他人にバカにされることを気にしないの?さっきもいたよね?」


ばれていたか、まぁ霊気をよんだんだろうが。それでも俺を出すともっと反感を買うと思って黙っていたんだろう。あそこで俺がでてきたら、あいつらが何をするか分からないからな。


「前の学校のときから、あんな感じだからな、言われ慣れているんだよ。それに俺がバカにするやつなんて下を見て満足してたり嫉妬だったり反論しても無駄だからな」


反論したところで、キレて何をしてくるか分からないし、水澄にも被害が行く可能性もある。だから反論したりやり返したりはしない。それに才能がないのは事実だしな。だからこそ置いてかれないように努力をするんだが。


「隆之助先輩がいいなら、それでいいけど、あまりひどいようなら私はちゃんと反論するからね」


「水澄が高評価してくれればそれでいい。俺は別にみんなに認められたいとか、ちやほやされたいわけではなく、少数にしっかり分かってもらえればそれでいいからな」


何人かに期待してくれれば俺はそれに答えるれるように努力をして、実力を伸ばすだけだ。いづれ剣術を極めて、戦国時代の剣豪にも負けないくらいにする。雷の魔法をプラスすればもっと上にいけるだろう。だから俺はもっと高みへいく。


「私だけは何があっても、味方でいるからね」


そう思ってもらって、嬉しいわ。これからもその期待に応えられるように精進するか。少し話して、周囲の視線を集めながらも、会は終了し、俺達はそれぞれの家に向かった。明日は休みだ。今までの疲れを癒すためにな。明後日からは普通の授業を開始して、その次の日から日本史を中心とした雑学に、実践授業を開始される。


明日は何をするかね。撮り貯めたアニメを見た後、ラーメンでも食べに行くか。なにをするか楽しみだ。来月からは部活にも入れるから、野球部に入る。今度は嫌がらせをされないといいが。


帰り道が一緒なためか、今は水澄と一緒に帰っている。水澄は笑顔だ。俺といて、何が楽しいんだか。今まで俺と二人きりになった人は大体嫌悪感を顔に出していたからな。俺よく文句を言わなかったな。まぁ心の中で泣いていたが。


「そうだ明日暇?」


くるっと俺の前にでて、両手を後ろで組み膝を屈めて、上目遣いできいてきた。なにそれあざとすぎだろ。まぁ美少女がやったら萌えすぎてキュンとくるんだが。俺は今ドキドキしている。


「いやないが」


アニメを見るって言うはずが思わずないと言ってしまった。美少女のあざとさ恐るべし。


「それなら明日柏に行こうよ。松戸に来てから、まだ行ってない場所がたくさんあるからね」


「まぁおごらなくていいならいいが。お金はうちにはないからな。いくら国からお金がでているとはいえ、できるだけお金は出したくないからな」


「大丈夫だよ。うちの家それなりにお金持っているから。柏の高島屋に行こう」


高島屋はブランドの店が多い場所か。まぁ女子中学生でもブランドものはほしいよな。別にプレゼントする訳じゃないならいいか。俺は自分のものはブランド物を買わないが。


「いいぞ、それじゃ水澄の部屋の前で集合な」


一番下の階で集合だと、ナンパをされる可能性があるから、できるだけ他の人に見つからない方がいいからな。ナンパを断っても同じ学校だから、何をしてくるか分からないし。


「うん分かったよ」


それから弥生時代の思い出を話していると、家に着いたので、俺達は部屋の前で分かれた。
















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