第14話勝利、祝勝会
「な、なんだ急に軍隊が現れただと?! くそ逃げ道は塞がれている」
「お前らは誘い込まれたんだよ。いや軍功をあげたいがために突っ込んでくれて助かったよ」
やっぱり相手の大将は大将の器ではないないってことだな。普通は少数で攻めてきたら、なにかを疑うはずだからな。だがそれもせず大将ごと突っ込んできた。軍を率いるってことは大将は冷静さが必要だ。卑弥呼さんみたいに冷静に落ち着いて対応しないとな。
「理よ。妾が巨大な一撃を放つ。少し離れておくれ。渦のように燃え広がれ!」
すると巨大な炎の渦が敵陣に向かっていた。いやでかすぎだろ。さすがこの時代最高の呪術師というだけはある。その炎は敵陣にぽっかりと穴を空け、敵の大将を葬った。それじゃ俺達は残党狩りでもするか。
俺は刀を振り回しながら、敵陣の奥深くまで向かっていく。既に敵は戦意を消失しているから、簡単に首を一刀両断できた。それにしてもやな感覚だ。首を切るときの手に残る感じが。
「我からあふれでる雷よ。放出せよ」
そう言うと、雷が俺の周りに溢れ出る。そしてそれを刀に付着する。そして一回振るたんびにその雷が何十人もいっきり葬る。こっちの方が嫌な感覚がしないから、まだいいわ。
そして邪馬台国や俺達の世界の軍勢がどんどん相手を刈っていて、やがて一人も残らず葬り去った。
「妾達の勝利ぞ!」
「おー!」
俺達の軍勢は雄叫びをあげる。完全勝利って感じだな。だが今回は上手くいったが、次はないかもしれない。今回のことで油断しないで、ちゃんと戦略の勉強をもっとしよう。
「まさか雷を刀に纏って、そのまんま振り抜くなんて、発想はなかったよ」
「見てたのか。まぁみんな魔法は単体で、発動しようとするからな。ある程度密集してればこっちの方が効率が良いんだよ。霊気をそんなに使わないし」
まぁできる人は少ないぽいが。実際にやろうとしてる人を見たことないし。ただ単に魔法を放ちたいから、こいう合わせ技を使わないだけかもしれないが。みんなそれなりに霊力あるし。
「剣術あってこその技だね。やっぱり隆之助先輩はすごいなぁー」
「俺は水澄が霊力の量と魔法の適正が多い方がすごいと思うがな。それに胡座をかかずに努力するし。普通は才能に溺れて、努力しなくなるからな。無水とか良い例だろう」
「陰陽師は常に努力をして技術を高めるものだからね。当たり前のことをやっているだけだよ」
その当たり前ができない人が多いんだがな。俺は何人も才能あるのにある程度のレベルになったら、努力をやめる人を見てきたからな。結局俺より才能あるなと思ったやつは何人かいたが、俺が道場で一番の剣術を極めた。そいつらは俺の方が才能があると言って、嫌がらせをしてきたりしたが。
「努力できるのが一番の才能ってことだな。あっちで勝利の祝杯をあげてるみたいだぞ。いったらどうだ?」
「あんまり気乗りしないけど、行かない方がめんどくさくなりそうだから、行くよ」
「それじゃ俺は卑弥呼さんのもとへ行ってくるわ」
卑弥呼さんは輪に入らず、静観してるみたいだから、話しかけるなら今だろう。俺達の任務は終わったから、元の世界に戻ることを伝えないといけないしな。ここで世話になったし、色々挨拶をして回らないとな。
そして祝杯をあげている曽良さんがいたので、話しかけた。
「曽良さん楽しそうですね」
「ええやはり勝利は嬉しいものです。これも魏の戦略を使ってくれた隆之助さんのお陰ですよ。これも神様がこの国を守りたかったので、この出会いは運命でしょう」
自分達の国の未来が変わるかもしれないから、きたから運命といえば運命かもね。これで俺達の未来が守られた。恐らく帰るのは明日だろう。そして弱点を見つけたから、またそれを克服するトレーニングをする。今後はもっと厳しい戦いが続くだろうからな。
「そうですね、自分達は明日帰ります」
「早いですね。まぁ魏に報告するなら、早い方が良いでしょうし、しょうがないですね」
「それじゃ俺はこれで、失礼します」
それから挨拶周りをして、終わったので、同じ学校のやつを見ていた。あいつらまるで自分達だけが頑張ったように振る舞ってやがる。傲慢すぎるだろ。無水なんかヒーローぽくなっているし。邪馬台国の男達がなんとも言えない表情で見ている。女子は崇めているが。イケメンはどんなことも正義だから、卑怯だよな。
そして水澄がこっちにやってきた。無水が注目を集めてる隙をついてな。
「もうほんと隆之助先輩は使えないなど、俺の方が楽しめられるよとかうざい誘いを受けたりするのが大変だよ。隆之助先輩の魅力に気づかないとか、その目は節穴だよ」
めちゃくちゃ誉めてくれるじゃん。こんなに誉められたのは妹以外いなかったから、結構嬉しいな。そこそこ好意は持ってくれてるみたいだ。
「そんなに魅力があるとは思わないが、高評価してくれてありがとな。なかなかに照れるが」
「自己評価低いなー。隆之助先輩より魅力ある人なんて、数えるほどしかいないのに」
まぁ助けたことがフィルターにかかってることは確かだがな。そうじゃなきゃ俺を見てかここまで高評価をすることなどないだろうからな。別に特別イケメンって訳じゃないし。この時代の料理でも楽しむか。きのみとかいわゆる拾ったものが食べれる機会はそんなにないからな。
「それじゃ食事でも楽しもうぜ」
「そうだね」
それから祝勝会は終わり、曽良さんの家に帰ってきた。それから寝て、いよいよ帰るときが来た。一週間ぐらいいたし、この時代にも愛着ができたから、少し寂しいな。
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