第11話才能があってもやはり努力しなきゃ意味ない

「今ここから一キロメートル先にいるね」


「10分くらいで着くか、俺達もそこに向かおう。さすがにあの人数じゃこの家には入れないからな」


俺達は曽良さんにお礼を言って、家をでた。まだ夕方くらいだが、光がないせいで、未来よりもかなり暗く感じる。携帯のライトを頼りにして、先に進む。猪とかそこら辺ででてきそうだな。まぁ刀で一刀両断するから、問題はないが。夜のごはんにもできるし。ごはんとここの肉はよく合うからな。


「あ、あれ無水先輩じゃない?なんかめちゃくちゃ現地の女子がすり寄っていて、周りの女子が面白くないように見てるけど。この時代でもイケメンなんだね」


イケメンがこの時代でもイケメンとかずるすぎるだろ。あいつどの時代に行ってもちやほやされるってことだろう。しかも才能まであるから、時の権力者が娘を差し出すまであるな。それに比べて、俺は剣術には自信があるとはいえこの界隈では落ちこぼれ。しかもイケメンじゃない。なんで神様はこんなに同じ男なのに差をつけたんだか。


「君はるなちゃんだね。いや助かったよ。どこに行けばいいか迷ったからね。僕の力がやっぱり必要に感じたんだね。さすがに国同士の争いにそこの落ちこぼれとだけじゃ戦えないだろうしね」


顔はイケメンだが、性格はイケメンじゃないようだ。こんなんでもイケメンだから、周りは性格もイケメンだと、崇めるんだろうが。宗教だなまるで。理由は俺を目の前にして、嘲笑うかのように言ってきたからな。しかも水澄が自分を必要としていると勘違いして。必要なのは人数なんだがな。才能があってもそれに胡座をかいている人間はどこかで重大なミスを犯しかねない。


「必要なのは人員ですけど。それと隆之助先輩は強いですからね」


認めてくれる人がいるだけで俺は嬉しい。今までは妹だけだったからな。野球部でも認めてくれる人はいなかった。努力を認めて、もらえるってこんなに嬉しいことだったんだな。


「まぁ僕の方がかっこいいって所を見せてあげるよ。才能に溢れている天才だからね」


そう言って女子のもとに去っていった。才能はあると思うが、努力しなきゃなんの意味もないだろ。それに比べて、水澄は努力もしているから、かなりの実力がある。きっともうかなりの差ができていることだろう。俺も水澄には勝てる気がしないしな。


「無水先輩の言ってることは気にしない方がいいよ。ちゃんと見ている人は見ているからね。それに隆之助先輩の方が魅力的な男の子だからね」


魅力的なのはさすがに無水には敵わないだろ。あんなにイケメンじゃないし。真剣勝負をしたら、負けるきはしないが。魅力では明らかに俺の方が下だ。それくらいイケメンとそれ以外には差がある。羨ましくなるほどにな。イケメンは何をやっても大抵許されるからな。やっぱ世の中は顔だよな。


「まぁ魅力的と言ってもらって嬉しいが、イケメンには敵わないと思うが」


「そんなことないよ。隆之助先輩だって、結構整っていると思うよ」


整っていたら俺はいじめられなかったし、彼女もすぐにできたと思うんだが。それに人を疑いから入ることはなかったはすだ。まぁ多分お世辞だろう。俺は自分がイケメンだと思ったことはない。イケメンというのはスマイルレベルぐらいを言う。まぁだからイケメンの基準は他の人より高いかもしれないが。だがそのレベル無水は到達をしている。だから俺が無水と同じレベルだとは思わない。


「好みは人それぞれだからな」


「みんな整っているって言うと思うけどなぁー。今までの女子が見る目ないのと、前髪のせいだと思うけど。いい美容院紹介しようか?多分切ったら、見違えると思うよ」


「前髪はこれでいい。美容院に行くと、コミュニケーションを取らないといけないからからな。あとこの前髪俺のアイデンテティだからな。そう簡単に切るわけにはいかない」


前髪が長いほうが片目のオッドアイなのを隠せるからな。これを見られたら、調子乗ってるとか、かっこつけんなとか因縁をつけられかねないからな。ちなみに俺はフランス人の血も入っているクォーターだ。だから片目だけ青い瞳をしている。


「イケメンになると思うけどなぁー。まぁいいや今はこの問題を片付けてからだね」


「明日戦略を発表してくれ。今からそれを教える」


そして俺は戦国時代の勇猛な武将の好んでいた戦略を教えた。これなら相手を引き付けられて、戦力を減らすことができるはずだ。兵隊を一網打尽にして、大将を取りに行」く。


「それならうまく行きそうだね。どうやってこんな作戦思い浮かんだの?」


「これは有名な大名の考えた作戦なんだよ。だから戦争をするってなったときにすぐに思い浮かんだんだ。だからすごいのはこれを思い浮かんだ大名だ」


俺はちょっとこの戦争に合うようにアレンジを加えただけだからな。戦国時代が好きなら、すぐに思い浮かぶだろう。そのくらいメジャーな兵法だからな。


「それじゃ寝るか」


攻めるのは明後日からだ。それまでに風邪をひいちゃだめだから、体調には気を付けないといけないし。俺達はそれぞれの寝床で寝ることにした。水澄がもっと尊敬されるといいな。そうすれば俺は目立たなくてすむからな。もういじめはこりごりだ。










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