第9話戦略は練った
「この環合は強度も高そうだな。これじゃ人間ならそう簡単に侵入できないだろう。それと結界を張るなら、この辺だろう。そこのところどうだ?」
「強度はあまり高くないね。結構結界は雑に作られてるみたい。たぶん卑弥呼さんの張った結界じゃないね。人間レベルなら、これである程度は防げるけど、モンスターだときついかもしれないよ」
卑弥呼さんも全体を見れてる訳じゃないみたいか。たぶん重要な場所だけを自分で結界を張っているんだろう。強度のある結界は何個も張れないだろうしな。この結界を張ったのは家臣の誰かだろう。とりあえず戦争になったら、ここから侵入してくる可能性が高い。それならここの守りに入るか。後はどこの国と同盟を結んでいるかも確かめないとな。国は隣と行っていたから、式神を飛ばしてもらって、会話を盗み聞くか。
「そろそろ曽良さんの家に帰るか。敵国に式神を飛ばしてもらえるか?敵の情報を入手したい。戦争は情報戦でもあるからな。情報を知っていれば戦略を練ることができる」
「そうだね、敵の数だったり作戦は確認しておきたいからね。何体か飛ばしてみるよ。場所は曽良さんに聞いてね。それにしてもよく初めて過去に飛んだのに、そんなすぐに動けるよね」
「元々戦略を練るのは好きだったからな。それに過去に飛ぶってことは世界の未来もかかっているからな。何がなんでもどうにかしなきゃいけない問題だ。それに生きるか死ぬかが戦略を練らないことで変わってくるし。相手に慈悲などないからな」
俺は戦国時代は好きだから、作戦を練るのは好きだしな。元々一人で考えて、なにかをするのが好きだし。それが中学生の頃に躊躇になった。部活でも孤立し、妹と両親以外は信じず、一人でどうやればうまくなれるかと考えながら、練習をしていたし。その結果強豪チームの中でピッチャーの二番手になれた。
「それもそうだね。もしかして、もうどう戦をするか、練ってあるの?」
「いくつかはあるぞ。まぁ相手の情報がなきゃ絞ることはできないが。相手の練度のある軍隊なのか、寄せ集めかによるが。どっちでも対応できるように練ってある」
すぐに突っ込んでくる相手なら、あの戦国大名の戦略がいいだろうな。練度が高いなら、多くの軍勢で、挟み撃ちがいいだろう。まぁとりあえずは情報を入手してからだ。
「さすがだね。それじゃ期待してるよ」
そんなことを話していると、曽良さんの家に着いた。俺達は中に入った。すると曽良さんが出迎えてくれた。そして、奥さんがスープのようなものをだしてくれて、俺達はそれを飲んだ。味は猪を出汁に使っているのか、いい感じにアクセントが効いていて、美味しかった。
『ごちそうさまでした』
「お粗末様です。それじゃ今日はどうするんですか?」
「とりあえず仲間に場所は伝えたので、敵の作戦を見破って、対策を立てることですかね」
「どうやって見破るんですか?」
そう疑問に感じたように曽良さんが聞いてきた。この時代には式神はいないからな、そう思うのも無理ない。卑弥呼さんなら、そんことしなくても星読みで看破しそうだが。まぁ相手がモンスターだから、手駒が少ないから、予測できても打破はできないんだろう。
「ちょっとした魏に伝わる呪術で、見破るんです。相手は魏のものじゃないんで、気づけないでしょうし。曽良さんそれじゃどこの国でどの辺にあるか教えてください」
「東隣である国で、豊浜王国と言って、もう一個となりにあるヒミココという王が治める国と同盟関係にあります。ただ豊浜王国は少数の人間しかいなくて、後は化け物が多くいます」
やはりモンスターを使っているのか。だがこの時代を舐めているのか、少数か。てことはそこの国を治めているやつもそんなに位は高くないだろう。まぁ国がまだ過去に飛んだことない俺達を送るくらいだから、予想はできたが。
「それじゃ水澄頼むわ」
「それじゃ始めるね」
そう言うと水澄は式符を取り出して、なにかを唱えた後、それにふっと息をかけた。そうすると、なにかが飛び出したように見えた。恐らく式神が行ったんだろう。いつか式神を見れる日が来るだろうか。
「とりあえず飛ばしたから、夕方様子見てみるね。それと霊気を視える人にはばれる可能性があるから、ばれた瞬間繋がりをたつからね。隠業をしてるから、ばれる確率は低いけど」
さすがだな。対策までしてあるとは頭がいいだけはある。ちなみに水澄はハーフだから英語はできる。ハーフって美少女多いよな。それはおいといて、戦法を相手の予想できる動きで、シミュレーションをしておかないとな。まぁ戦法は戦国時代のものを使おうと思っている。
そして俺は水澄達に対策を教えて、式神を水澄が見て、後どのくらいでクラスメイト達が着くか観察してもらい、俺達はどこに敵を集めるか考えていた。
モンスターと同盟の結んでいる人達は分断した方がいいよな。人の方は邪馬台国の人に任せて、邪馬台国のひとじゃ対応できないのを俺達が相手をした方がいい。
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