第40話 バドミントン部

生徒会は放課後、バドミントン部の部費に関する会議を開いた。最近、部費の報告書に雑費が多く記載されており、具体的な使用内容が明記されていないことが問題視されていた。これにより、生徒会は部費の適正な使用状況を確認するために、バドミントン部の部長を呼び出すことにした。


生徒会室に部長が到着すると、白水さんが議題を説明した。「部費の報告書を見て、雑費の項目が多いことに気付きました。具体的に何に使われているのか、もう少し明確にしてもらいたいんです。」


バドミントン部の部長は少し困った表情を浮かべ、視線を逸らしながら答えた。「あの…道具がよく紛失することがあって、それで雑費として計上しているんです。でも…特に何か大きな不正とか、そういうことはしていません。」


しかし、生徒会の他のメンバーや青波さんも首を傾げ、白水さんがさらに問いかけた。「道具の紛失は確かに問題ですが、そのためにももっと正確に使途を明記して、部員たちにも納得できる形にする必要があります。明確な会計処理がないと、他の部も疑問を持つかもしれません。」


青波さんも優しいがしっかりとした口調で続けた。「私たちは不正を疑っているわけではありません。ただ、部の運営が円滑に進むように、透明性を高めることが大切です。次回からは何に使ったか具体的に報告してください。」


バドミントン部の部長は一瞬黙り込んだ後、深く頭を下げて「申し訳ありませんでした。次からはもっときちんとした報告を出します」と誠実に謝罪した。


白水さんはその謝罪を受けて、少し表情を和らげ、「分かってくれればいいです。私たちも協力しますから、何か困ったことがあったら相談してください」と優しく言葉をかけた。


青波さんも笑顔で「これで一緒に改善していけるね」と励まし、会議は穏やかな雰囲気で締めくくられた。バドミントン部の部長は再び感謝の意を表し、生徒会室を後にした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る