第39話 小さなプレゼント

次の日、白水さんは放課後に青波さんに会うと、少し照れくさそうに小さな包みを手渡した。


「これ、昨日のお礼。手当てしてくれて本当に助かったからさ…」


青波さんは驚いたように白水さんの手元を見つめ、包みをそっと開けた。中から現れたのは、モッカというお化けのキャラクターの小さなマスコットキーホルダーだった。ふわふわした体に、愛嬌のある表情のモッカは、可愛らしいデザインで青波さんの目を引いた。


「かわいい!」青波さんは笑顔を浮かべ、キーホルダーを手に取ってじっくり眺めた。「こんな素敵なもの、ありがとう。嬉しいな。」


白水さんは、青波さんの笑顔を見てホッとしたような表情を浮かべ、「よかった、気に入ってくれて」と控えめに笑った。


青波さんは、そのまま自分のカバンを手に取り、モッカのキーホルダーを丁寧につけた。そして、白水さんに向かって嬉しそうにカバンを見せる。


「どう?似合うかな?」


白水さんは頷きながら、少し恥ずかしそうに「うん、すごく似合ってるよ」と答えた。青波さんが本当に喜んでくれているのが伝わり、白水さんの心には温かいものが広がった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る