第11話 白水さんの成長と夏休みの生徒会活動

夏休みが始まり、生徒たちはそれぞれの自由な時間を満喫していましたが、生徒会の仕事は完全に止まることはありませんでした。新たに会長に就任した白水さんは、優秀な頭脳とリーダーシップを持っているものの、生徒会の細かいルールや進行方法についてはまだ不慣れでした。夏休み中にしっかりと準備を整え、会長としての責任を果たせるようにするため、彼女は何度か学校に集まり、生徒会の会議を開くことにしました。


会議は午前中に行われ、昼には解散となります。ほとんどのメンバーはその後、友達と遊びに行ったり、夏らしい楽しい時間を過ごすことに夢中でしたが、白水さんは会議が終わった後もひとり学校に残っていました。生徒会室で静かに資料を広げ、行事の段取りや次のステップを確認している姿は、真面目で一生懸命な彼女そのものでした。


そんな白水さんの様子を見ていた青波さんは、自然と手を差し伸べることにしました。彼女は副会長代理として、会長をサポートする立場にあり、冷静な判断力と的確な指導力を持ち合わせています。白水さんが生徒会の仕事を学びやすいように、青波さんは細かいルールや段取りを一つひとつ丁寧に教えていきました。


「これが次の行事の準備資料だよ。みんなで分担する部分をまとめたから、確認してね」と青波さんは落ち着いた声で言いながら、資料を白水さんに手渡しました。彼女のアプローチは温かくも的確で、白水さんが必要な情報をすぐに理解できるようにサポートしていました。


「ありがとう、青波さん。あなたがいなかったら、まだまだ迷ってばかりだったと思う。私、もっと頑張らないとね」と、白水さんは感謝の言葉を伝えました。青波さんは軽く笑って「大丈夫、誰だって最初はそうだよ。焦らずに少しずつ覚えていこう」と励ましながら、彼女の背中を押すような存在であり続けました。


白水さんは、この夏休みの間に少しずつ自信をつけていきました。青波さんのサポートを受けつつも、自らの力で解決策を見つけ出し、会長としての役割を全うしようと努力を重ねていきます。彼女がリーダーシップを発揮する姿勢は、他のメンバーにも良い影響を与えていきました。


夏の日差しが降り注ぐ校庭を見つめながら、白水さんは次の学期に向けての決意を新たにし、青波さんもそんな彼女を静かに見守っていました。この夏の経験が、二人の絆をより深め、生徒会活動をより円滑に進めるための礎となったのです。


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