第8話 友達
夜が更け、学校の静寂が増す中、青波さんは生徒会室での会議を終え、一息ついていました。生徒会改革を進めるための議論は白熱し、予想以上に長引いてしまったのです。青波さんは、仲間たちの意見を丁寧にまとめ上げ、生徒会での議論に反映させることに全力を注いでいました。それでも、合意を得るには時間と労力が必要でした。
「今日はかなり遅くなっちゃったな…」青波さんは廊下を歩きながら、自分がどれだけ頑張れているのか、少し不安に感じていました。校舎の出口に近づくと、ふと明るい街灯の下で待つ数人のクラスメイトたちの姿が目に入りました。
驚いて足を止めた青波さんに、男子生徒の一人が笑顔で言います。「青波さん、遅くなって危ないから、みんなで一緒に帰ろうって話してたんだ。」
「そうだよ、夜道は心配だし、せっかくだからね。」他のクラスメイトも微笑みながら、頷いています。
その言葉に、青波さんはじんわりと心が温かくなるのを感じました。「ありがとう、そんな風に気にかけてくれて…本当に嬉しい。」彼女は友達に囲まれながら、ゆっくりと歩き出しました。
帰り道は穏やかで、文化祭の思い出話や学校で起きた何気ない出来事が次々と話題に上がり、笑い声が夜空に響きます。青波さんはふと、周りの友達の優しさと支えを強く感じました。「私は一人じゃないんだな…」と心の中で思い、目の前の風景が一層明るく見えるように感じました。
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