第31話 音楽祭準備



中学2年の春、音楽祭の実行委員会が発足した。教室では、白水さんが中心となってボランティアを募るアナウンスをしていた。「音楽祭は皆で作り上げるイベントだから、ぜひ参加してほしい!」と熱心に呼びかける姿は、少し頼もしく見えた。


その日の放課後、生徒会室には数人の生徒が集まり、実行委員会のメンバーを決める会議が始まった。青波さんもその中にいて、彼女は皆の意見をしっかり聞いていた。


「まずは、どんな役割が必要かを考えよう」と白水さんが提案する。「パフォーマンスの管理、ステージの設営、広報活動など、いろいろあるから。」


「広報は私がやりたいです!」と手を挙げたのは、クラスの明るい女子だった。「SNSで情報を発信して、たくさんの人に来てもらいたいです!」


他にも、音楽が得意な生徒がステージの演出を担当することになり、さらに設備の管理役も決まった。みんながそれぞれの得意分野を活かして役割を分担する姿は、まるで一つのバンドのようだった。


「それじゃあ、各クラスからも実行委員会に参加してもらうように呼びかけよう」と青波さんが提案した。彼女の意見に皆が頷き、各クラスに協力を求めることにした。


数日後、実行委員会のメンバーがようやく決定し、全員が集まるミーティングが行われた。白水さんが「みんなで協力して素敵な音楽祭を作ろう!」と宣言すると、会場は拍手でいっぱいになった。


しかし、緊張感も漂っていた。各自の役割に対する期待と不安が入り混じり、青波さんは少し心配そうに周囲を見回していた。「大丈夫、みんなで助け合えば成功するよ」と白水さんが励ますと、少しずつ皆の表情も和らいだ。


こうして、音楽祭の準備は始まった。実行委員会のメンバーが一つになり、少しずつ当日のイメージを具体化していく様子が見られた。みんなが協力し合いながら、素晴らしいイベントを作り上げることを目指しているのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る