第21話 相談所
白水さんが学年一位の成績を収めたことで、自信を持ち始める。彼女の変化は生徒会の会議でも感じられ、以前のようにおどおどした様子は影を潜め、堂々とした発言が増えていく。
「みんな、相談所を作りたい」と白水さんが提案すると、教室は一瞬静まり返る。「相談所って、何の相談をするの?」と他の生徒会メンバーが尋ねる。
「いろんな悩みがあると思うから」と白水さんは熱心に説明を始める。「意見箱でもいいけど、実際に話せる場所が必要なんだ。」
「でも、それって手間がかかるし、意見書で十分じゃない?」と反論するメンバーもいるが、白水さんは譲らない。「相談所じゃないと意味がないと思う。」
生徒会の中で少しずつ意見が交わされる中、青波さんは普段とは違い、何も口を挟まない。彼女の静かな姿勢に、他のメンバーも少し戸惑いつつ、白水さんの熱意に引き込まれていく。
「じゃあ、とりあえずやってみよう」とみんなが合意し、相談所の設立が決まる。白水さんが自信を持って発言する姿を見て、青波さんは心の中で彼女を応援しているのだろう。生徒会の新たな試みが始まることに、少しの期待と不安が入り混じる。
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