第一拠点への突入!運命の再会

青空の下、廃工場のような「dest」の第一拠点を目の前にして、櫻子、幽々子、結花、そして新たに仲間に加わった水山もこは、緊張した面持ちで立ち止まっていた。風が彼女たちの髪を揺らし、重い沈黙が続く。


「ここが……『dest』の第一拠点……」櫻子は一歩踏み出しながら、真剣な表情で工場を見上げた。


「内部には多くの敵がいるだろう。だけど、私たちはもう怯えてはいられない。」幽々子が静かに言い、もこも頷いた。


「ここで、お母さんとお父さんを助けなきゃ……!絶対に!」もこは両手を握りしめ、決意に満ちた瞳で前を見つめた。


その時、突然後ろから一人の白髪の少女が現れた。「君たち、行くつもりか?」静かで冷静な声が響く。


「ヨツバ!」櫻子が驚いたように振り返る。


「あなたも来てくれたのね。」結花が微笑んで言った。


「ええ、もちろん。あなたたちだけでここを制圧するなんて無謀よ。『dest』の力を甘く見ないことね。」ヨツバは腕を組みながら、冷静な表情で答えた。


「ありがとう、ヨツバ。君が一緒に戦ってくれるなら、勝てる気がする!」幽々子が嬉しそうに言う。


「……じゃあ、行こう!」櫻子が勇ましく声を上げ、四人はヨツバと共に工場内へと足を踏み入れた。


工場内は薄暗く、静寂が支配していた。しかし、その静けさの裏には明らかに何かが潜んでいると感じられる。


「気をつけて……いつ何が出てくるかわからない。」ヨツバが警戒を促す。


突然、廊下の奥から足音が近づいてくる。「来た……!」櫻子がステッキを構え、他の三人も戦闘態勢に入った。


「うふふ……ようこそ、『δ5』の皆さん。」影の中から現れたのは、妖艶な笑みを浮かべた女性だった。彼女の周りには「μ3」の光がちらついている。


「誰……?」もこが警戒の目を向ける。


「私は『dest』の幹部、セレンよ。あなたたちを待っていたわ……特に、そこの裏切り者。」セレンはもこに鋭い視線を向けた。


「……!」もこは一瞬怯んだが、すぐに力強い表情で応じた。「私は、もうあなたたちには従わない!お母さんとお父さんを助けて、あなたたちの野望を止める!」


「フフフ……そう簡単にいくかしら?」セレンが手をかざすと、空中に青い光が広がり、次の瞬間、複数の敵兵が現れた。


「やるしかない!」櫻子がステッキを掲げ、他の三人もすぐにそれに続いた。


「行くわよ!『μ3』、力を貸して!」もこの声が響き、彼女のステッキから青い弾丸が放たれる。それが敵兵に直撃し、爆発的な衝撃波が広がる。


「ナイス!」幽々子も力を込め、金色の光を放って次々に敵を撃破していく。


「私たちの力、見せてやる!」結花も勇敢に戦い、ヨツバは冷静に敵の動きを読みながら的確に攻撃を繰り出した。


戦いは激化し、敵兵の数は次々と減っていったが、セレンは不敵な笑みを浮かべながら、まだ余裕を見せていた。


「ふふ、なかなかやるわね。でも、これで終わりじゃないわよ。」セレンは高笑いしながら、突然周囲の空間が歪んでいくのを見せつけた。


「みんな、気をつけて!」櫻子が叫ぶと、彼女たちの足元から青白い光が湧き上がり、工場の内部がさらに不安定になっていく。セレンの最後の攻撃が始まったのだ。


「これが……『dest』の力……!」幽々子が苦々しくつぶやいた。


「でも、負けるわけにはいかない!」もこは目を閉じ、一瞬だけ深呼吸をした。「お母さんとお父さん、待ってて……!」


彼女の言葉に他の三人も奮い立ち、残る敵兵を次々に倒していく。戦いの最後、ヨツバが冷静にセレンの攻撃パターンを見抜き、全員で力を合わせて彼女を追い詰める。


「これで終わりだ!」櫻子が全力でステッキを振り下ろし、巨大な光の刃がセレンを包み込んだ。


「……見事ね。でも、これからが本当の戦いよ。」セレンは不敵に笑いながら、光の中に消えていった。


「勝った……?」結花が疲れたように息をついた。


もこはその瞬間、工場の奥から響いてきた声に驚き、駆け寄った。「お母さん!お父さん!」彼女の目の前には、縛られていた両親の姿があった。


「もこ……!無事だったのね!」母親が涙を流しながら、もこを強く抱きしめた。父親も安堵の表情で微笑んだ。


「ごめんね……助けるのが遅くなって……」もこは泣きながら両親を抱きしめ返した。


櫻子、幽々子、結花、そしてヨツバもその光景を静かに見守り、もこに微笑みかけた。


「これで、君も本当の仲間だね。」櫻子が優しく言った。


「ええ……本当にありがとう、みんな……!」もこは涙を拭き、再び決意に満ちた表情で仲間たちに向き直った。


もこの両親を無事に救出し、第一拠点を制圧した彼女たち。これからの戦いはさらに厳しくなるだろう。しかし、彼女たちは確かに強く結ばれ、前に進む覚悟を固めた。


「行こう……次のステージへ!」

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