深淵の森攻略①
ダンジョンの魔物に関する情報
・ダンジョン内の魔物は、階層ごとに1〜二体ほど増えていき、途中の階層でいなくなったりする。 では本編へどうぞ
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馬車に揺られること数十分、俺たちはAランクダンジョン[深淵の森]に着いた。入り口は洞窟みたいな感じで、扉回りは長方形で加工された岩で縁取られていた。中からは形容し難いオーラが溢れてきていた。
このダンジョンは全18層からなる比較的小型のダンジョンで、Aランクにしては安全と冒険者の中で言われている。
小型ダンジョンのため俺たちはグループごとに順次攻略していくことになっていて、俺たちはトップバッターを務めることになっている。
「なんか、不愉快なオーラが漂ってくるね」
「
「さっさと攻略しよう」
そう言って俺たちはダンジョン内に入っていった。
中は洞窟みたいな感じで、天然の魔鉱石の光でそこそこ明るかった。
この中のどこかに下へ降りる階段があり、トラップも多くある。
「攻略始めるか」
「そうだね。いつまでもここにいても何も始まらない」
「…何も始まらなくていいんだ」
「称矢なんか言った?」
「あ、いやいやなんでもない。攻略しよう」
俺たちは中を進んで行った。迷路みたいな洞窟を時間をかけて進んでいた。
風を切るような音が奥から聞こえてきた
「ま、魔物だ!迎撃準備をしろ!」
俺はさっさと剣召喚のレベルを上げるため、木刀モドキを召喚した。
奥から来たのは三匹の薄水色の狼だった俺は一番先頭にいたやつに鑑定をかける
「鑑定!」
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【ダイアウルフ】
レベル:12
魔力:410
攻撃力:480
防御力:360
俊敏力:690
知力:340
スキル:≪統率≫
称号:なし
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「初手からAランク中位モンスターなんだよ⁉︎」
「僕が二体引きつける、称矢は残りの一体を倒して」
「2人に付与魔法をかける。前衛は頼んだよ」
移動速度上昇と攻撃力アップをもらった俺とアサシンの雅人は突っ込み、ナイフを二本取り出し後ろにいた二体に投げつけ、ダイアウルフの攻撃を交わして時間を稼いでいる。
俺は目の前にいるヤツに集中しよう。ダイアウルフが突っ込んできたところで左にズレ、木刀で斬りかかる。木刀が直撃する直前、ギリギリダイアウルフが体を捻り、横腹を掠っただけだった。相手の知力は690、一筋縄にはいかないな…ダイヤウルフは右や左に移動しながら後ろにいる魔導士の愛莉の攻撃をかわしながら来る。流石に弾幕が厚いため、何発かの魔法を喰らっているのに諦めず突撃してきた。俺は噛みついてくる直前に首を切り落とした。
切り落としたら、体が消失して魔石とドロップアイテムだけ残った。
こっちを捌き終わって、俺は雅人の援護に向かう。雅人は機動力でダイアウルフにダメージを与えていった。完全に雅人に気が向いている二体に近づき、目の前の一体を俺は斬り倒した。急に隣のやつがやられ、俺に攻撃をしようとしてきたが雅人が首を落とし、倒し終えた。
「ナイス〜」
「ありがとな」
「ドロップアイテムは毛皮が二つか…」
ダイアウルフの毛皮は綺麗なため、王侯貴族から人気が高くそこそこ言い値がするらしい。
「次の階層に行こっか」
俺たちは階段を探しながらどんどん奥に行った。道中、群れのダイアウルフが襲ってきたが、返り討ちにして階段前まで来た。
階段前は魔物が湧かない地帯でダンジョン内で数少ない安全地帯だ。だが、着いてくる魔物は普通に入ってくるので、倒して来ないと安全じゃなくなるし、そこに冒険者がいたらそれこそぶっ殺される。
俺たちは特に疲れてなかったのでスルーして、二層まで降りていった。
俺たちの今いる一階層にもいたダイアウルフと、新しくロックバードが出てくる階層だ。階段近くから移動して雅人が周囲の安全を確認しようとを歩きながら俺たちは進んで行った。移動してすぐ急に雅人が下がってきたと思ったら、二足歩行のデカい鳥が横道から走って出てきた。俺は咄嗟に鑑定をかけた。
「——っ!鑑定!」
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【ロックバード】
レベル:21
魔力:310
攻撃力:610
防御力:320
俊敏力:340
知力:290
スキル:≪土魔法Level1≫
称号:なし
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「急に出てきたよ!気をつけて!」
雅人がそう叫ぶ。こいつは走って出てきたが、何かに逃げてきたより反応してきたような気がする。俺は鑑定してこいつが土魔法が使えるとわかった。
「土魔法を使ってくる!距離を取りすぎても魔法が飛んでくる。近距離で倒すぞ!」
「了解!称矢」
俺と雅人はロックバードとの距離を詰めに行った。
「コケェェェェ!」
と鳴き、ロックバードは土魔法のアースランスを複数展開をして、突っ込んでくる俺と雅人を迎撃をしてきた。
「二手に別れるぞ!」
俺はそう言って雅人と離れ、魔法を分散させて距離を詰めた。飛んでくるアースランスを叩き斬り、俺は、ロックバードの目の前まで来た。ロックバードは、羽根の鋭い鉤爪を振り翳してきた。
「残念。あっちが本命だよ」
その言葉を言った瞬間、ロックバードの裏を取っていた雅人がナイフで頭を刺し、魔石を落として消えていった。俺は魔石を拾い、
「次へ行こう」
と言った。俺たちは次の階段を見つけ、どんどん降りていった。三階層は1力に階層までの二体とフォレストリザードが出てくる階層で、降りてきて早々、武装した二足歩行の緑色のトカゲ二体が来た。俺はまた鑑定をかけた。
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【フォレストリザード】
レベル:18
魔力:280
攻撃力:460
防御力:450
俊敏力:230
知力:230
スキル:≪硬化≫
称号:なし
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「防御力が高い。雅人、超近接攻撃する時は気をつけて!」
「わかった。教えてくれてありがと———なっ!」
フォレストリザードのボロい剣での攻撃をいなしながら雅人はそう返事をした。いくらボロい装備とはいえ、剣や防具だ。剣で斬られれば普通に傷つくし、切り掛かっても防具に弾かれる。防具のない頭を狙うしかないか…
俺は、木刀を持って突っ込み剣を持っている手を切り落とした。
「キィエェェェ——————!」
甲高い奇声を上げ、切り口からは青い血が流れ落ちる…少々気持ち悪いが、何度も魔物の血は見てきたため、耐性がある。斬られて、無防備になった頭を、刎ね、倒した。あいも変わらず、ドロップアイテムはなく、魔石しか落とさず消えていった。もう一体は、愛莉と雅人のコンビネーションで、倒した。あっちは武具を落としたらしいが、使い道がないため魔石のみ拾い放置していった。
俺たちはそのまま突き進み、四階層までついた。この階層はフォレストワイルドボアが出てくる階層だ。今まで階層について移動した途端、襲ってきたから何かあるのだろう。今回もそんな予感がしたから俺はみんなを止めた。
「ちょっと待ってくれ」
「何?どうしたの?」
「今まで階層についた途端に襲われてるから何かあるのか聞いてみただけ」
「確かに1、2、3階層全ていきなり襲われてきてるしなんかありそうね」
「何か思い当たる人はいない?」
「僕はないな」
「私も特に思い当たることはないわ」
「俺も」
「もしかして…あれか?」
「何かあるのか?」
「あぁ、以前見れなかった称号のところにトラブル体質というものがあって、魔物・クエストの遭遇率が上がるらしいんだ」
「さっきの原因はそれね…で、何か対処法はあるの?」
「いや、ない(反語)」
「そうか…でも魔物を討伐できるしいいね」
「そうね、じゃいきましょうか」
(だめだ…気が狂っていやがる。どうすればいいんだ…)
階段のある部屋から出て途端
ブモォォォォォォォォォ!
「…なんで遭遇率20%アップなのにこんな当たるんだよ…」
少々、嘆きながら構える…ドドド!目の前の方から足音が響いてきて2、3メートルほどの赤毛の猪が見えてきた。特に回避する様子もなくただ突っ込んでくる。
俺は前に行き、ワイルドボアの横をとって叩き斬った…が金属のような毛で弾かれてしまった。慌てて距離をとったが、遅れて、手に激しい痺れがきた。金属を叩きつけた時のように…
「いっってえ〜〜〜!そしてかった!」
「鑑定!」
近くで鑑定をかけてくれた雅人が情報を共有してくれた。
―――――――――――――――――――
【フォレストワイルドボア】
レベル:23
魔力:160
攻撃力:530
防御力:740
俊敏力:650
知力:160
スキル:≪猪突猛進≫
称号:なし
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「猪みたいなヤツだ–––な!」
持っていたナイフを投げた雅人がそういった。実際突進しかしてこないし、攻撃は単調だ…が、いかんせん防御力が高すぎて下手な攻撃を入れても金属みたいに硬い毛に歯が立たない。攻撃力もそこそこあるしぶつかったらひとたまりもないだろうな…
「春渡!攻撃力アップの
「了解!雅人と称矢に攻撃力2倍の
「「了解!」」
「ストレングスアップ二倍!」
春渡がバフをかけた途端木刀がいつもよりクッソ軽く感じた。効果は5分。決めてやる。
「雅人突進がくるぞ!飛んで避けろ!」
「あぁ!わかった。ありがとう」
そう言って雅人は短剣を取り出し、ワイルドボアの首目掛けて攻撃した…金属同士がぶつかる音がして雅人はこっちにくる。
「だめだ!硬すぎる。生半可な剣じゃ斬れない」
「じゃあこいつならどうだ?」
俺はそう言って持っていた木刀を前に突き出した。
「その木刀ならいけるかもしれない」
「わかった!雅人は時間を稼いで!」
雅人はもう一度突っ込み、ワイルドボアの突進を誘っていた。
その雅人の行動に怒ったワイルドボアが再度突撃してくる。
「ナイス!雅人!」
俺はそう言って突進してきたワイルドボアを右にズレ、脇腹目掛けて斬った。
ザシュ!と音がし、木刀から血が垂れてきた。が、ワイルドボアはまだ動いてる。
「チッ!かすり傷か…でもわかった。これなら斬れる!雅人、もう一度突進を誘ってくれ…次で仕留める」
「本当にやれよ!さぁワイルドボア!ナイフを食え!」
雅人はワイルドボアの眼目掛けて投げた。ワイルドボアはその巨体ゆえ、かわせず目にブッ刺さった。
「ブモォォォォォォォォォ!」
叫び声がし、突っ込んでくる。壁にぶつかりながらすごいスピードで走ってきた。
「ちゃんと前見て走らないと事故るぞ?」
そう言って俺はジャンプし、ワイルドボアの頸動脈目掛けて斬った。首からは血が吹き出し、ドシン!と音をたて倒れ、魔石と毛皮、牙を落として消えていった。
「ナイス!」
「ちゃんと前見て走らないと事故るぞ?…ププッ」
「「あははははは!」」
「おい笑うな!」
「だ、だって面白いし––クフッ…わ、笑わない方がおかしいって」
「おいみんなひd––––––お前もかよっ雅人!」
「ま、まあ––––––クフッ…ヤベ、思い出しただけでやばい…ゲフン…そんなこともあるよ」
「おい聞こえてるぞ…ったくなんで言ったんだろ」
「「「しらねぇよ!」」」
「さ、さっさと次行くぞ!」
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