初のクエスト ②
おはようございます。そして寝坊しました。やっべこんなことしてる暇ないって
焦って準備していると横にはまだ寝ている奴がいた。そう雅人である。
よかった〜
「おい!起きろ。いつまで寝てんだ」
「あと30分だけ……」
俺は雅人の頭をスパァンと叩いた。
「イッテテテテ…何すんだ…よ……」
「おう気づいたか、死活問題に」
「罠だ!これは罠だ!」
「それは某アニメのセリフだ。あと急げよ」
「あ、はい…すみません」
急いでロビーに向かうとすでに2人はいた。
「遅いわよ。まったく何してるのよ」
「「寝坊しました」」
「揃えて自慢するとこじゃないのよ?」
「行こう。時間押してるし」
そう言って俺たちは向かった。小走りで城壁を越え、森の中に入った。
「開始しましょうか」
「そうだな」
「じゃああっちの方へいこっか」
俺らは一歩出遅れて、討伐を始めた。道中、数多いでてきた奴らを倒していると
「レベルアップしました」
謎の声が頭の中で聞こえてきた。何かと思っていると、さっきより少し体が軽くなっていることに気づき、ステータスを開いた。
―――――――――――――――――――
【三梢称矢】
職業:魔剣士
レベル:2
魔力:510 (+10)
攻撃力:660 (+10)
防御力:340 (+10)
俊敏力:470 (+10)
知力:220 (+10)
運:50
BP:10
スキル:≪剣召喚Level1≫≪アイテムボックス≫≪全魔法Level2≫≪剣技Level5≫
≪言語理解≫≪鑑定≫
称号:≪トラブル体質≫≪全能の主≫
―――――――――――――――――――
レベルが上がっていた。 1レベル上がるごとに10ずつ上がっていくのか…
あと、BPもといボーナスポイントも10もらってるな。振り分けは後でいいか。
「俺、レベルアップしたわ」
「お、よかったね」
「おめでとう」
「ありがとう。この調子でレベルアップしていこうか」
「そうだね」
そんな会話をしていると、通常のやつより一回り小さいゴブリンのいる群れが出てきた。そのゴブリンは俺たちの姿を見ると少し下がった。
対して他の奴らは好戦的に前に出てきた。俺は近くの兵士に質問した。
「あの小さいゴブリンはなんですか?」
『あれはレアモンスターと言います。他の魔物より発生頻度が低く、確率でレアアイテムを落とします』
「よし、俺が倒してくる」
「あまりでしゃばるなよ」
「わかってる」
そう言って俺は腰から剣を抜き、レアゴブリンに特攻した。
その行動に慌ててゴブリンは逃げたが、すぐに追いつき後ろから切った。
ゴブリンは倒れ、魔石とレアドロップだけ落ちた。
「よし、少し素早かったけど倒せた。さーて、レアドロはなんだろなぁ〜」
俺は倒したとこまで戻ってドロップ品を拾いに行った。魔石を拾い、レアドロを見た。そこにあったのは、メイド服だった。
「……。誰が使うかぁ!!」
大声で叫んで叩きつけてしまった。「おーい。どうした?」足音が近づいてくる。やばいやばい早く隠さないと。でもどこに…そうだ!アイテムボックスだ!俺は急いでアイテムボックスに証拠隠滅をした。
「どうした?大声で叫んで」
「いや、ドロップしなかったから発狂しちゃった。」
「びっくりさせるなよ…全く」
「ごめんごめん」
証拠を隠すためになんとか切り盛りをした。あれは、後で捨てるか、売ろう。それなりの値段がつくはずだ。まぁ、使うことはないだろうし。
「キャァァァァァァァァァ!」
悲鳴が聞こえてきたと同時に俺と雅人は走り出していた。
「なんだろう?ここはかなり奥の方だけど」
「行ってみないとわからない。急ごう」
悲鳴の聞こえた方に行く途中、春渡と愛莉と合流できた。
「さっきの悲鳴は何?」
「わからない。でもすぐ近くのはずだ」
俺たちは走った。五分ほどすると、開けた場所が見えてきた。そこには、1人の少女がナイフ一本でゴブリン二体と戦っていた。ナイフで果敢に切り掛かるも、ナイフを弾かれ絶体絶命のピンチだった。
俺は、もう一つ走るギアを上げて急いだ。
【side 少女】
ガキンッ!
唯一持ってきていたナイフを弾かれてしまった。まずい、丸腰だ。
どうしよう…ゴブリンはどんどん近づいてくる。逃げたくても足がすくんで逃げられない。
「誰か助けて!」
虚しく森の中に響いた。誰も助けは来ない…
その間に近づいてきたゴブリンが剣を振ってきた。もうだめだ…
私は死を悟った。ガキンッ!
あれ?なんで死んでないの?私は恐る恐る目を開けた。
そこには、貴族のような服を着た男がゴブリンの剣を防いでいた。
男は、剣を弾くと間合いを詰め二体ごと一振りで倒した。
【side称矢たち】
あっぶね!もう少しでこの少女殺されてるところだった。間に合ってよかった…
俺は、ゴブリンの剣をもう一体の方に弾くと、間合いを詰め一気に殺した。
倒し終えると、少女が話しかけてきた。
『あ、あのっ 助けていただきありがとうございます』
「いいよ気にしないで」
『ありがとうございました。では私は行きます』
「ちょっと待って。」
『なんでしょうか?』
「これ、君の落としたナイフ」
そう言って俺はさっきまで少女の持ってたナイフを渡した。
『ありがとうございます』
「困ってそうだし何があったのか話を聞いてみる?」
俺は、雅人たちに聞いた。
「大丈夫だよ」
「困ってたら助けてあげないとね」
「そうね…でもまず、その子の服をどうしましょう?」
「そうだよなぁ…」
その子の服は、袖が切れ、肩や脇腹に穴が空いていた。
「誰か服持ってない?」
「持ってないよ」
「持ってるけど…大きすぎるし」
「ないよ」
「どうしような…そんな都合のいい物あるわけないよな…………あっ」
俺はあることを思い出した。
◇
レアドロを見た。そこにあったのは、メイド服だった。
「……。誰が使うかぁ!!」
大声で叫んで叩きつけてしまった。
そう、メイド服を俺が持っている。俺が!
「俺、その子に合うような服持ってるかも…」
「「「お前そういうやつだったの(です)か?」」」
「違うから!」
俺は全力で否定した。まじで違うから、偶然の副産物だから!
俺はアイテムボックスからメイド服を取り出し、その子に渡した。
「これ、着替えね。あっちの木の陰で着替えてきな」
「ありがとうございます」
そう言ってその子は木の陰に行った。
俺は、すぐに見えないようにするため魔法をかけた。
「大地よ 岩よ、強く固まり壁となれ ストーンウォール」
流石に見てしまったらまずいしね…紳士的に。数分後着替え終わった女の子が出てきた。
「「「メイド服って…お前まじでロリコン(なの)?」」」
「だーかーらー違うって!さっきは言いたくなかったけどレアドロップから出たやつだって」
「ほんとか?怪しいな…」
「違うってマジで、厳しいって」
「はいはい、言い訳はいいから」
「悲しい…」
『あのっ、大丈夫ですか?』
「…あぁ、大丈夫だ」
「こいつの言う通り大丈夫よ」
『そうですか…あっ、自己紹介がまだだったね。わたしはオリビア。あなたたちは?」
「俺は、三梢称矢」
「私は井上愛莉よ」
「僕は、竹上春渡だよ」
「最後に鈴木雅人だ」
『称矢さんに愛莉さん、春渡さん・雅人さんですね』
「そうだよ」
『あなたたちはなんなんですか?兵士さんたちを連れて?』
「王様からの依頼ごとだ、こんな感じでも一応勇者らしいが」
『そうなんですか!申し訳ございませんでした』
「いいよいいよ気にしないで」
「ところであなたはどうしてこんな森奥深くまできたの?」
聞いた途端少女の顔が暗くなった。
『はい…実は妹がゴブリンに攫われてしまって…』
「ゴブリンが攫っていったの?」
『言葉を話すゴブリンの連れが攫っていきました…』
「言葉を話すゴブリンなんているの?兵士さん?』
「言葉を話す魔物なら上位種の可能性が高いです。そして、ゴブリンなら
今回の討伐目標のゴブリンキングでしょう」
「「「「ゴブリンキング…」」」」
「ちなみにそいつらがどこ行ったかわかる?」
『はい、ここから北西の方角です』
「ありがとう…でも、君は危ないから家に戻ってね」
『いやです!妹を取り戻したいんです!』
少女から、絶対に譲らないと言う意志を感じ取れた。
「…わかった、連れて行こう。でも無理はしちゃダメだよ」
『はい!ありがとうございます』
「じゃあ行こう!ゴブリンの集落へ!」
俺たちは北西の方角に進んで行った。
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今週は豪華3本立てだぜ☆(キリが良かったから)
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