第3話 どんどんいい顔になる新卒君

私はアシスタントを必要とする時に、必ずその人を指名するようになりました。

細かく説明をし、都度都度メモを取って貰い、自分の仕事と同時進行でその人の面倒を見るようにしました。

その人のミスを防ぎながら、自分の仕事もやりながら、大変な思いをしましたけど、何とか頑張りました。

その人も最初は溺れそうになりながらも懸命に付いてきてくれ、半年後にはまあまあの量の仕事を任せられるようになりました。

その人がこれまで怒鳴られてつらかったという事を最大限考慮し

「褒めて伸ばす」という考え方に徹しました。

その人が間違えたり勘違いをしたりした時は

「私の言い方が悪くてごめんね。ただここが違う、だからこうなっている」

と、行為だけを注意し、否定は決してせず、恥もかかせず、

些細な事でも出来るたびに大袈裟に褒めました。

その人がどんどん「いい顔」になっていくのを見るのは嬉しかったです。

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