社会不適合者達の大冒険

良夏

第1話

一人の男が歩いている。突然何かを投げ捨てた。

彼は戦隊ヒーローのパープルで、正義の味方ではあるが、職種で言えば無職。その為、家族、恋人、友達すら持てずムゴイ男である。

そんな生活にうんざりしていた時に、目に入った大きな家。

「こんな家の奴が正義の味方やれよ!!」 

そう言い彼は自分自身の変身ベルトを大きな家へ投げ捨て、そのまま歩いて去っていった。

その大きな家の主がしばらくして庭にベルトを見付けた。

「おいおい、誰だよゴミ捨てやがって…ん??重いな…」

主は家の者に声を掛けた。

「誰かいるかー!!」

「はい!なんでしょう??」

「これ、捨てといてくれ。」

「戦隊者の変身ベルトみたいじゃ無いですか!?」 

「そこに落ちてたんだよ。」

「分かりました。捨てときます。」

「外から見えないように、新聞か何かにくるんで捨てとけよ!近所のババァが、いちいちここから出るゴミ袋だけ、不燃物が入ってないか見やがるからよー。」

以前もプラモデルとラジコンを燃えるゴミに隠し捨てた所、それだけ外に出され、何週間もそこにそれだけ置かれた。それも無視した所、家の前まで持ってこられた事がある。その時にババァには、

「何で俺の家のって思ったの?人んちのゴミ勝手に漁ってんじゃないよ??」

と注意はしたが、ここのゴミは特に暇なババァが気になって仕方ないらしい。

  翌朝、テレビを付けるとニュースで、『戦隊パープルが疾走した事が明らかになりました。残された手紙にはこのような事がかかれていたそうです。』

手紙『「もうこんな生活嫌だ。無職。体も精神も丈夫なので生活保護ももらえず、バイトを見つけても、やれ怪人だ、やれ集合だ。なんだで、せっかく見付けたバイト先にも煙たがられ…パープルさん忙しいですよね…。何て言われて。涙。私はヒーローを卒業します。」と書き置きの手紙と、謎のマイクが置いてあった模様です。』と流れた。

「おいマコト!昨日のベルトどこやった!?」 

「え?捨てましたよ」

「探してこいや!」

「ぇ゙〰」

「早く行け!」

マコトとは、昨日主に捨てとけと言われた者である。

「ありました!あのババァ、またゴミ漁って不燃物のこれだけ、目立つ様に置いてありました!」

ね、だから言ったでしょう。あのババァ本当に俺んちのゴミにだけ執着すごいよな。…しかし、ナイスババァ。

「ちょっとかしてみろ。ん、どうやって使うんだ」

アニメは好きだが、戦隊物は見ないんだよね。 

「ここ…押すだけじゃないですか?」

「ん?ここか?あっ…」

変身してしまった。

「本物じゃねーか」

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社会不適合者達の大冒険 良夏 @yosina

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