第7話 ブッフェ③

「あれ、河上かわかみは取りに行かないのか?」

座って様子を見ていたらもり先生が話しかけてきた。


「森先生、これは作戦なんです」

「作戦?」

「まずは様子見をして空いている場所に行くんですよ」

「ほうほう」

「最初はみんなメインに行きがちですが、これは罠なんです」

「罠か…」

「だから、僕は様子見をした結果、サラダコーナー&ベーカリーに行きます」

「お、お前ヘルシーだな」

「ホテルのサラダ!味わってきます!!」


自家製ベーコンと温泉玉のシーザーサラダとラタトゥイユを取る。


班で決まっている席に戻り1口ずつ

シャキシャキでうまい!このラタトゥイユもトマトと野菜の味がうまい!


「あんた、なにそのサラダだけってダイエット中のOL?」

「え、まぁ…それより木原さんは1,2.3…5枚?!ローストビーフずいぶんシェフに切ってもらったんだね」

「あとで取りに行くの面倒だし、私って賢いでしょ?」

「でも、お肉以外にもまだまだ種類あるよ?」

「たしかに…全体を見てから決めれば良かったかも―」


心の中で

だろ?まずは落ち着いて全体を把握する、これが大事なんよ。

僕は、このブッフェ最初から最後まで楽しむぞー

どんまい木原さん。


僕はこのまま、サラダからの前菜・パスタ・ご飯もの・魚料理はアクアパッツァ

そしてメインであるローストビーフを頂いた。


これがローストビーフ…ナイフいらないじゃんかよ。柔らかくて、うますぎ。

来てよかったなぁ。


さて、デザートでも頂きますかねー。


あれ、木原さん、下を向いてるぞ?どうした?


「木原さん、大丈夫?」

「もう無理…、入らない、でも…でも…デザートは食べたぃ」


案の定、なにも考えず本能のまま行くとこーなる。

どんまい。


立ち上がると木原月は、その場でジャンプをし始めた。

「ふーふー下に落ちろーーカロリー使えーーー」

「月ちゃん、お行儀悪いよ?」

「優、ここは一度きりの人生、私は後悔はしない!したくない!」


おいおい、さすがにそこまでしなくても良いじゃないか?

飛び跳ねて、どうにかなるものなのか?



…木原月が飛び跳ねるのをやめた。


「よし、いける!待ってろ自家製ジェラートと季節のタルト!!いま行くわ」



店員さんに全種類のジェラートを注文する木原さんを見ながら、僕は自家製ジェラートを味わった。


あぁ、ブッフェ最高かよ…。


――――――――






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