第2話 海賊船①
箱根へ行くバスの中で
「なんで、いつもあんたの隣なのよ!」
「仕方がないだろ、出席番号順なんだからさ」
「それでもバスまで出席番号順じゃなくてもいいのに…」
「俺だって
高身長・イケメン・青髪のセンター分け。
去年にスケボーパークで顔を合わせてからよく話すようになった。
「あなたっていつも千波といるけど、2人はできてるの?」
「んなわけ、ないだろ!」
「さて、どうかしら?まぁ、いいや私寝るから邪魔しないでよね」
木原月は窓際の席に座っているので、外を見るようにして眠った。
高速道路を使い、サービスエリアで一度休憩をはさむと
一般道に戻り、山道を攻める大型バスは少し怖かった。
窓から見れば崖すれすれを走るからだ。
隣を見るとのんきに爆睡している木原が羨ましい思った。
バスは観光スポットに着く。
「おい、ついたぞ」
木原さんの肩を叩くか悩んだが
触るなバカ!とか言われそうなんでやめた。
…
「お腹空いたー!!」
こいつ起きて第一声が、それかよ。
「ホテルのブッフェに着いたの?」
「しおり見たか?一番最初は、海賊船だろ」
海賊船は芦ノ湖を桃源台港から箱根町港・元箱根港まで行く。
湖から見る箱根の景観は美しいみたいだ。
「わ・た・し・はブッフェしかこの遠足には興味がない!!」
木原さんは笑顔で、僕を見つめると
お腹が空いているのか、手を腹に当てて撫でていた。
12時発には、まだ30分時間があるので
すこし街並みを散策するか―と思ったがそんな時間はなくて
バスガイドさんの海賊船のついての話を聞く。
海賊船は、どうやら3種類あるみたいでどれに乗るのかはランダム。
そして海賊船は港に着く。
僕らが乗ったのはビクトリー号だった。
ビクトリー号から箱根神社の水中鳥居を見ると
近くで青い光が見える。
「なんだあれは?おい千波、鳥居の近くが光ってるぞ」
「ん?なに言ってるんだよ。どうせ観光客が写真でも撮ってるんだろう」
「そうなのかなぁ…」
…
―――――――
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