第3話 融合
「え?ん? は!?」
『ドスッ』胸の重さや体の弱さに耐えきれず、思わず倒れてしまった。
だが、迷いなく近くにあった木の机の上にあるポーションを飲むと、力がみなぎると同時に、体が強くなったような気がした。
「なんだ、なんでだ、女性だったのに女性じゃなかったみたいな違和感は、」
突然、その頭の中に流れ込んできたのは魔王と娘2人で過した記憶と勇者と共にした記憶、だった。そして、頭の中から(あら、成功したようね)
「え!?どこにいるんだよ!」
(頭の中よ、私の生きた年数が長すぎて半分くらいはあなたに注がれて、半分は人格として残ったみたいね。いずれ完全に融合するわ)
「なるほど、それはよく分かったがなんで融合した」
(魔法陣に乗ったからよ)
「それは分かってるんだよ!なんで俺と融合したってことだ」
(強くなりたいんでしょ?だから融合したのよ)
言い返せなかった。
「あと、この胸、重いんだけど。それにもっと変な感じする」
(そうね、確かにこれは大きすぎるし見てるこっちも恥ずかしいわね。あなたの魔法と私の呪いを組みあわせて体の改変をするわ)
すると、体が動き、新しい魔法陣を作り出した。その魔法陣からはあの時とおなじ闇が出てきて、体を覆った。
闇から解かれると、女性らしい細い体と綺麗な筋肉が増え、肉付きが無くなった気がした。さらに、胸の大きさが前は両手じゃ収まらないくらいの大きさだったが、今では梨2個分ぐらいの大きさになった。
「服はどうする」
すると、また魔法陣から闇が出てきて、体を覆うと、顔以外すべて闇に覆われた。
「お、おう」
その後、階段をあがって瓦礫を破壊し外に出たら、既に朝になっていた。魔王が統治していた街の服屋を探していると、鏡に自分の姿が写った。
「え、クソ可愛ええじゃん」
そこには恐らく、魔王の妻とその娘二人の白髪と、自分の髪の色の水色が入っていた。鏡を前に自分にみとれていたが、そこはちょうど服屋さんだった。
窓を割り、飾られていたふくを片っ端から取り、着た。
罪悪感
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