エピローグ

結局、ゲームの最終順位は以下の通りとなった。


1.陽毬

2.スズ 俺

3.アイリーン


陽毬は結婚マスで「12」を出して結婚に失敗。結果独身貴族を貫くことになったものの、一番の金持ちになることに成功した。とはいえ、陽毬は不満そうだった。


スズは陽毬の後に結婚マスに止まり、見事「3」を出し、そして結婚の対象を俺にすることに成功。

「略奪婚」イベントが発生し、俺はスズと共に人生を歩むことになった。

二位で終わったものの、スズはとても嬉しそうだった。可愛かった。


アイリーンは終盤までかなりいいマス目を引き続けていたものの、最後の最後で「事業失敗」やら「旅行」やらの罰金マスを引き当てまくった。

結果としてアイリーンは借金まみれになり、保留地でルーレットを回し続ける悲しい運命になってしまった。


俺はというと、当初アイリーンと結婚したものの後に離婚。その後スズと結婚し、生涯を共に過ごすことになった。


「……なかなか面白かったな」


色々あったものの、かなり楽しめた。

「子供から大人まで楽しめるゲーム」という謳い文句に嘘はなかった。


「なら良かったです」


そう言ってアイリーンは頷き、紅茶を淹れてくれる。


「クアルト!」

「……あっ!」


スズと陽毬は中央のテーブルでクアルトに興じている。

俺はアイリーンと共に、それを部屋の端から見ている状況だ。


「もう一回!」

「ふふ、負けないよ」


敗北したスズが陽毬に再戦を挑んでいる。なかなか楽しそうだ。


スズもかなり勝負に熱くなるタイプだということを、俺は今日初めて知った。


それを眺めながら、俺は紅茶を一口飲む。


「いかがですか?」

「美味しいな」


俺も紅茶を入れたことはあるが、それとは全く段違いのおいしさだ。

渋みがほとんどと言っていいほどない上、香りは極上そのもの。


今度ぜひ、淹れ方を教えて欲しいものだ。


「ふふふ、それならよかったです。実は、密かな特技なんですよ。なかなか披露する機会はありませんけど」


確かに、自分の淹れた紅茶を披露する機会はなかなかなさそうだ。


「なかなか楽しい日々になりそうですね」


白熱する二人の戦いをみて、アイリーンがそう呟く。


「そうだな」


俺は頷いて、カップをソーサラーに置いた。

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