第2話 怖気
場所は新市街のコンサートホール。今日は大きなジャズイベントがある。だが、客は誰もがお堅い服装だ。
この国で最近ホットなのは、「ジャズ」だ。
元々は他国の発祥だが、ここでは独自に進化した。
クラシックのような重厚感とジャズお馴染みの軽快さが両立する、今最もイカしている物だ。
ホールはそんな音楽に満たされる。
ダーティーな側面も、音楽は包み隠してくれる。
「てめぇ、ただじゃすまねぇぞ…!」
私はホール外の薄暗い路地裏で、捕まえたマフィアと『お話』していた。どうやら先日の事件に関わっているらしい。
別に聞く相手は誰でもよかったが、せっかくなので問い詰めた。
まずはマフィアの情勢を知らなければ…。
そういえばこれで何本目だ?まぁいいか。
「てめぇ、ただじゃすまねぇぞ…!」
「そうかもな。次は鼻でも行ってみるか。」
パキンッ。
乾いた音と共に、滝のように鼻血が流れ出す。
男が叫び声を上げようとする。
その度に腕を口に押し込み、腹を蹴り上げる。
太く、籠もった声が腕に伝わる。
その度に、相手が黙るまで暴力でねじ伏せる。
「死ぬかどうかはお前次第だ。私はどっちでも構わないけど。」
こういうことを何度も繰り返すと、吐き気が込み上げて気分がどんどん悪くなる。気を抜くと今にも胃がひっくり返りそうだ。
世の中にはこういう事を楽しんでできるやつがいるらしい。今だけは尊敬できるよ…。
「てめぇ、まじで…ぶっ殺してやる…。」
「死にたいんだったらそう言えばいいのに。」
「この…イカれ女が…。」
血反吐を吐きながら、男は吐き捨てる。厄介なことに、ファミリーへの忠誠は固いようだ。
まるで口を割る気配がない。はぁ…。ほんと最悪。
また吐き気が…。一体どうすれば…。
その時だった。
コツン、コツン―――――
マジか…。足音がこっちに向かってくる。
どうする、殺すか?
ダメだ、十中八九こちらはバレている。不意打ちは効かない。逃げるしか…。
男から手を離し、動こうとした直後だった。
斧が、無音で正面から飛んできた。
マズイ!避けら
ぐちゃっっ。メキメキッ。
肉が絡み、深く刺さる音が聞こえた。
すぐ隣の、頭が割れる音だった。
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↑ジータのキャラ画像
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