ダンジョン配信7話目
間食ちゃんの葬式スレ454【運命】。
名無しさん;アイツのチャンネル発見した。ウルトラ探検隊という名前。
名無しさん;柑橘レモネードも大炎上してるってま!?
名無しさん;間食殺しの配信に裏の顔が映ってた。SOATUBEでもう100万再生されてる。
名無しさん;マジで苦しい。ご飯が喉通らない。
名無しさん;自分も同じ症状。明日の仕事休む。
名無しさん;そんなんで仕事休むなよw
名無しさん;じゃあお前自分の母親死んでも仕事休むなよ。
名無しさん;こっわ。
名無しさん;倫理観欠如していていいね。
名無しさん;お葬式会場はここですか?お葬式会場はここですか?お葬式会場はここですか?お葬式会場はここですか?
名無しさん;あくまで赤の他人だろ。配信者を家族だと思ってるの?やばいな。
名無しさん:ダンジョンライバーあまり好きじゃない部類だけど間食さんは好きやったなー。
名無しさん;間食殺しの個人情報特定した。岩石サトル二十七歳、桃雪専門学校卒。今年二月まで丸山工業の職に就いていたが辞職して、親のスネをかじりながら生活。でもいきなりダンジョンライバーになったのはどうしてなんだ?
名無しさん;少しでも稼ぎが欲しかったとか?でもあの様だしな。俺ならすぐやめる。
名無しさん;普通に親が愛想尽かせて間接的に殺したかったんやない?
名無しさん;だとしたら大分やばい家庭やん。
名無しさん;マジでありがとうな。ちゃんと育ててくれた母親に感謝しないと。
名無しさん;そんなんいちいちコメントすんなボケ。心の中で勝手に思ってろ。
名無しさん;は?
名無しさん;こいつ間食殺しだろ。早く土下座しろ。
名無しさん;↑お前待ってろ。殺しに行くから。
俺はコメントを打ち、頭の中へ出る文字に頷いた。
「ワープクロップを使用し、彼のもとに向かいますか?」
思い出した。何故俺はコメントしないのか。文字をネットに送り出し、大衆の目に晒さないのかを。そうだ。
コメントはゴミだ。SOATUBE、ソイッター、掲示板、ソクヨム、シャンプマイナス。ゴミでゴミでゴミだ。
お前ら知らないだろ。コメントというのは感想を言う場なんだぞ。不適切な発言をする場でもなく、意味不明な文章を羅列する場でもなく、暴言や誹謗中傷をまき散らす場でもない。
「は?殺しに行くから?来れるもんなら来てみろや!」
「後ろだ」
「ふぇっ!…………ふげえ!」
アンチコメントをするのは30代や40代が多いと聞いていたが、本当だったとは。しかも位が高そうで高級そうな腕時計を見に付けている。俺は目を見ひらっきぱなしの彼に最後のチャンスを与える。
「俺のこと誹謗中傷してごめんなさいは?」
「ご、ごご、ごめ」
「おせえ。つうかならゴミコメントすんなし」
「アースシンボルを使用シマスカ?」
「ああ、よろしく頼む」
そう言うと掌に巨大な水玉が形成される。それを彼の顔に押し込んだ。
「むっぐぐぐぐッ!」
溺死が一番苦しい死に方らしい。知らんけど。それに一番手っ取り早くて後も残らない。
さあ、まだゴミは残っている。大掃除を開始しよう。
* * *
俺はそのあと27人のゴミを溺死させ、あの掲示板はもぬけの殻となった。ソフーニュースでは早速話題となっており、間食が死んだ大事件が俺の殺戮に飲み込まれようとしていた。
にしてもゴミどもはどうして分からないのだろうか。コメントをネットに残すという事は、未来永劫自分の発言が残り続けるという事。何の考えもせずに自分の裸を相手に見せつけるのと同じなのだ。理解ができない。よってゴミなのだ。
という事でこれからゴミコメントを一掃するべく動き出した。最初はソフーニュースで俺を叩いている奴らだ。意味不明なストレス発散に使われている現状。じゃあ、逆にストレスを発散する道具になってもらっても文句は言えないよなあ!
「ぶぐ……うぐぐ」
警察は俺を未だに捕まえられていない。俺が殺したという証拠も残らないし、ワープクロップで一瞬のため目撃者もいない。徐々に俺を批判するコメントは減り始め、今度は警察を無能呼ばわりする集団がゴキブリのように出始めた。
なら次はそいつらだ。
警察を擁護しているわけではない。自分がその職場に就いたことがないくせに、全部分かりますよアピールするゴミどもが気に食わないだけだ。
「ぷぐ……うぐぐぐ……」
何人殺したかも分からない。死んだ人の顔を見すぎて頭がおかしくなってくる。それから何日経っただろう。遂に政府が対策を取り始めた。その政策は誰もが目から鱗の画期的な発想だった。
「インターネットのあらゆるコメント欄を封鎖します。日本人は今後、インターネットに文字を残すことは出来ません」
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