高校生彼女×大人彼氏
私、ランクアップでしょ?
「だってお前…」
顔を上げると朝霧さんが私の目の前にしゃがみ
「彼氏いるじゃん」
よくわからないことを言った。
「昨日の」
昨日?まさか英介?
「ち…違います!英介は友達!
中学が一緒だったの!
仲はいいけどそんなんじゃないです!」
「なんだ…」
ガッカリしたみたいに頭カクンって落として、すぐ顔を上げ朝霧さんは笑った。
「じゃあ…」
視線を外し、笑った口元を隠すみたいに手の甲を当て、また戻ってきた視線。
「彼女になって」「朝霧さん彼女いるじゃん2人も」
「は?」「え?」
「待て」「でも」
「喋らせて」
「はい」
「彼女はいない
昨日のは会社の同僚で中身は男だ」
「ファミマにいた人は…?」
「ファミマ?」ウーーーン
そんなに考える?
いっぱいいるのかな。
「わかんないけど違う
彼女とは別れたから」
じゃあホントに…
「彼女になって?」
泣くーーーー
「いい?」
うんうんもちろん
いいに決まってるじゃん!
もうたぶん今の数分で3年分は泣いた。
うそみたい。
夢みたい。
起きたら夢だったオチは無しにしてね神様。
「ちょ…行こう?」
私の腕にそっと手を添えて立ち上がる。
「立って」
そう促され立ち上がり、現実に帰った。
2人の世界やりすぎた件
日曜日の駅ビルのターミナルで、大泣きで好きだのなんだの大注目だった。
見ないように見てる感。
で、目に入ったのは大きな時計。
「あ…電車!
じゃ!私ピアノ行かなきゃなので!」
「え、帰んの?!」
え…?
朝霧さんが別れを惜しんでるの…?
「あれ?快速?」
コクリ
頷くと、朝霧さんはハーフパンツのポケットから黒い財布を出して、改札にピッと当てた。
「離れがたいんだけど…」
泣くーーー
『三番ホーム馬由が浜経由鳥栖行き
間もなく発車でございますご利用の…』
「ほら行くぞ」
三番ホームまでダッシュ。
朝霧さんと三番ホームまでダッシュ。
2人で一緒に三番ホームまでダーーッシュ!
息を切らして電車に滑り込んだ。
はぁはぁ言ってる私を見て笑い、朝霧さんは空いてた4人掛け席に座った。
だから私はその向かい側に座った。
隣に座るのは恥ずかしかった。
2人がけの席が空いてたらよかったのに。
パチッと目が合って恥ずかしそうに目をそらす。
朝霧さんも隣同士がよかったって思っててくれたらいいな。
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