住み慣れた部屋なのに
天川裕司
住み慣れた部屋なのに
タイトル:住み慣れた部屋なのに
住み慣れたこの部屋で、失くし物をした。
「どこいったかなぁ〜、んー」
さんざん探し回ってもなかなか見つからない。
私は元々モノをよく失くすタチだ。
ベッドの布団の中やクローゼットの中、
ベッドの下やテレビの後ろ側など、
散々探し回ったけどやっぱり見つからない。
お風呂場、トイレ、屋根裏、机の引き出しの中、
あるいは普段探さないような場所…
キッチンの引き出しの中、全書棚の本の奥、
とにかく探し回った。
「ん〜〜〜見つからないなぁ」
泥棒に入られても、
あれは取られる心配はないだろう…
と思っていたが、万が一ということもある。
誰かが持ってっちゃったんだろうか。
そうこうして居るうちに奇妙な現象に見舞われた。
「ん?」
もう1度ベッドの下を探していた時、
ベッドの後に人の足が2本見えたのだ。
「えっ??」と思い顔を上げたら、
そこに見知らぬ男が立って居た。
「ウソ…私こんなの見えるようになったんだ…」
それまで見る事はなかったのだが、
はっきり見えるようになった自分に
レベルアップ感を覚えた。
その男の人はベッドに横たわり、
布団に包まりながら、
男「ふぅむ。これ一体何なんだろう…。学校の友達に聞いても知らないって言うし…」
そう言うのに詳しい友達や学校の先生に聞いても
今手に持っているそのモノについては
誰も知らないと言ってきたらしい。
「あ!それよ!私が探してたもの!」
それは古ぼけた護符。
私がこの世を離れる前に、
ある住職の人からもらったモノだった。
それがあればその後の生活が守られるから、と。
でも彼が私の持ち物を
見つけられるようになったと言う事は、
そのうち私も彼に見つけられるんじゃないだろうか?
そんな不安が少しよぎったのも本当だった。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=pIuMmS06qd8
住み慣れた部屋なのに 天川裕司 @tenkawayuji
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