第3話:雛の体に入った壮介。
「で?どうします?・・・このままこの世を永久に彷徨いますか?」
「他人の体に入るのもめちゃ抵抗あるけど、誰にも知られずにこの世を彷徨う
なんて嫌だな・・・どっちかしか選べないんなら別の人の体紹介してもらおうかな?」
「分かりました・・・今、その人、病室に遺体で眠ってますから、善は急げ・・・・すぐに行きましょう」
「善はって・・・今のはダジャレじゃないですからね」
「面倒くさ〜・・・ダジャレでいいんじゃないの」
ってことで、死神「
だけど雛は今、仮死状態・・・まだ死んでない・・・。
善次郎はそのことを気づいていなくて雛はてっきり死んでると思われていた。
雛の家族が彼女の遺体を引き取る準備をするため家に帰っていたから雛の遺体は
まだ病院に残ったままだった。
そのスキに死神、善次郎は壮介の魂を雛の病室に連れて行った。
「よろしいですか・・・魂を器に移す間は壮介さんの意識をしばらく止めます
からね・・・余計な雑念つまりスケベなことを考えられると困りますので・・・」
「んなこと考えないよ、そんなの時と場合によりけりだろ?」
「とにかく雑念が入るとうまくいきませんから・・・」
「分かったよ・・・いいようにしてくれ」
雛は死んでない訳だから自身の魂はまだ体に残ったままの状態・・・そこに
壮介の魂が入ろうとしていた。
雛はなにかのショックを受けてハッと目を覚ました。
体がぞわっとしたかと思ったら気を失いそうなくらいのエクスタシー「快感」が
身体中に走って息ができず金縛りみたいになって体が痙攣した。
「ああっ・・・」
雛は堪えきれず思わず声を漏らしてしまった。
と同時に壮介も雛の体で意識を取り戻して同じような快感を覚えていた。
「俺イっちゃった?・・・めちゃいい気持ちだったけど・・・」
「ちゃんと魂が体に入ったのかな?」
なんで雛と壮介がエクスタシーを感じたかって言うと善次郎は壮介の魂を雛の
性器から体の中に入れたからだ。
本来、人は亡くなって体から魂が抜けて行く時、男も女も性器から抜けて行く。
だから入る時も性器から入って行く訳で・・・だからふたりともエクスタシーを
感じたのだ。
ってことは壮介と雛は肉体じゃなく精神的にセックスしちゃったのかな。
壮介がもし雛の体から出たり入ったりすることができるようになったら・・・
それはクセになちゃいそうだね・・・そうなったら壮介の魂は雛に受け入れて
もらえるか、はたまたどんな手段を使ってでも抹消されてしまうかどちらかだ
ろうね。
壮介がふっと気がつくとの目の前に白い天井が見えた。
「あなた誰?・・・私の体でなにしてるの?」
「あなた?・・・私の体?・・・・え?なに?俺が入った体って、まさかの女?」
「え〜俺は男なんだから男の体に入るのが普通だろ?」
「お〜い死神・・・善次郎〜俺の魂が入る人、間違ってるぞ」
「って言うか俺以外に女の子の先客がいるじゃん」
「なに言ってるんですか・・・私は私・・・私自身です」
「心も魂も体も、はじめっから全部私のものです」
「お〜い、死神・・・んなこと言ってるぞ〜」
しまっていた。
なんて無責任な男、いや死神。
つづく。
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