第2話どこかで見た世界

 「というわけで、異世界チャンネルをご覧の皆様、こんにちわ~!」 

 「ササラです……。」 

 

 唐突なゾンビボイスですまない。 

 

 俺はどちらかというとカードゲームをするときは自分の好きなデッキを使うタイプだ。 

 しかし最近のカードゲームの調整を見ると嫌になるときがある。 

 同じデッキと何回もマッチングするとき、飽きてくるのだ。 

 俺が言いたいのはそれだけだ。 

 

 女……、もとい俺の創造者、そして痴女が言うには俺は異世界で生活をすればいいらしい。 

 特に制限もなく、別世界で一生を過ごせばいいという。 

 ……いじめか? 

 こんなどこかで見た中世※1 でインターネットもなしに何をして生きて行けと? 

 ※1:明らかに中世ヨーロッパではない。 

 それとも俺は生前の行いがよくなかったのだろうか。 

 輪廻転生は良くないことなのではなかったのか。 

 

 「創造者が言うには『どちらか』というと万葉集に近い世界観だしな……。」 

 

 ぶつぶつ言ってもしょうがない。 

 早くあるこう。 

 申し遅れましたが、ここは森の中です。 

 あの痴女曰く、最初から誰かがいるところに転移すると騒ぎが起こるとのこと。 

 なんでそこは常識的なんだよ。 

 しゃーなしに歩く。 

 とはいえ、森なのに道があり、両脇に木々があるだけだ。 

 

 「……ご都合な道路だ……。」 

 

 しばらく歩くと砦のようなものが見えた。 

 おいおい、まさか城壁に囲まれた国じゃないだろうな。 

 

「おい!止まれ!」 

 

 だめだ。 

 衛兵までいる。 

 

 「身分証明は?」 

 「これを……。」 

 

痴女に渡されたプレートを見せる。 

 

 「はっ、冒険者の方でしたか。お進みください。」 

 

 妙に社会的地位の高い荒くれもの来tらああああああ!! 

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