第一忍務後編:忍びたる者、他国のスパイに負けるべからず
燃え盛る火柱に囲まれたテロリストたちは呆然と立ち尽くし、狼狽えている。
まぁ、そうなるわな。追い詰めたと思ったら、追い詰められたなんてな。
「ああ悪いな。たまたま、そこら中に無臭の可燃性油をそこかしこに塗り付けたからな。」
「そんな馬鹿な、我々がここを拠点にした時から見張っていたがそんな仕掛けをする余裕は…!?」
「たまたまだって言っただろ。俺が餓鬼の頃、夏休みで偶然にも
「馬鹿なそんな話があるか!? そんな子供の悪戯のようなやり方で!?」
「まぁ、ここを拠点にしなくても、別の策を弄していたがな。」
リーダー格の男は俺に向かって、拳銃を構えた。
「だとしても、貴様はおしまいだ! 我々はホワイトナイトの中でも偵察隊に過ぎん! 本部の奴らでさえもお前の顔を知られている! 貴様がどんなに潜んでも無駄だ、我々の同志がお前を何度でも喰らいつくからな!」
そんな事を言うなら、俺だって考えてある。そう目論み、鎖から縄抜けした俺は顔から身体を剥がした。
そこには赤髪ポニーテールと赤い瞳を持つ巨乳の女性が立っていた。
「男の子だと思った?残念、女の子でした…なんてな。俺は日常生活でも修行でも変装してんだよ。俺は忍者だぜ。そう簡単に学校へ行くかよ。それに…」
リーダー格の男から電話が鳴る。男は手に取ると、俺は取り上げた。
「炎慈よ、釣りは済んだか?」
「テロリスト本部に行ってる親父の方が大物を釣ってるじゃねぇかよ。まぁ、ここからは俺のテリトリーだからな。難しい方は親父に任せる。」
「くれぐれも、無茶はするな。忍びらしく謀れ。」
「了解。」
リーダー格の男は呆然としていたから、俺は言って聞かせた。
「お前ら、ホワイトナイトは壊滅だってよ。今頃、アメリカじゃ後の祭りだぜ。」
「ふは、ふはははは! ならば、貴様も道連れだ!」
テロリストたちが銃やら銃火器やら向けてきたから、俺は指に印を構え、念じた。
「火遁、火山雷。」
辺りに土埃が巻き上げ、その摩擦による静電気が雷と化し、空気中の酸素に馴染ませた霊気に引火し、電気混じりの怒号の大爆発がテロリストや燃え盛る廃工場ごと木っ端微塵にしたとさ。
めでたし、めでたし。
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