第一忍務中編:忍びたる者、他国のスパイに負けるべからず
俺は冷たい水をかけられ、目を覚ませば、東京都の郊外にあるであろう山奥の廃工場にいて、椅子から鎖で縛られていた。
周りには白尽くめのスーツを着て、白いサングラスを掛ける諜報員たちであった。
「ご機嫌よう、服部炎慈。我々のモーニングサービスは如何かな。」
「何がサービスだ。おもてなしの国である俺からすればサービス精神が成ってねえよ。名古屋人が喫茶店でトーストだけを出されたくらいにムカつくぜ。」
アメリカンジョークと日本のつまらない例え話を並べて、互いに睨み合う。
「さて、我々はホワイトナイト。偉大なる白人、いや、アメリカ人が日本人たち《イエローモンキーズ》に脅かされるのを良しとしない防衛軍だ。」
ホワイトナイトか。確か、過激な白人主義にして、黒人排除集団であるK《クー・》K《クラックス・》K《クラン》の一派が、日本企業の海外進出を機に倒産させられた海外のブラック企業の人間たちを取り込むことで成り立った対日本人排除集団か。
「要するに日本との企業戦争に負けた雑魚共の掃き溜めじゃねぇか。そんなお前らが
俺はそう吐き捨てると、リーダーと思わしき男に拳銃の持ち
「日本人は礼儀正しいのでは無かったのかな? 今のは確かに国際問題だが、まぁ良いだろう。早い話、教えて貰おう、大和
「あいつは芋侍だが、国家の大切な御人だそう簡単に話すかよ。大体、テロリストの分際で国際問題とかほざくなよ、犯罪者が。」
その時、一発の銃声が響き、俺の足の甲に痛みが走り、血が溢れ出る。
俺は縛られた椅子と共に転げ落ち、男は勝ち誇るかのように見下ろす。
「私がただの小悪党だと思うなら、見誤ったな。私は拷問にも手を抜かないからな。さぁ、蜂の巣のように穴だらけになりたくなかったら、さっさとアメリカ人に有益な情報を教えるんだ! HURRYUP《ハリーアップ》! HURRYUP《ハリーアップ》!」
俺は痛みに耐えながら、ただ奥歯を擦らせることしか出来なかった。
「どうした、歯がガタガタに震えてるぞ?
このような戯言を聞き流した俺はやっとのことで奥歯から火花を放ち、廃工場内は爆炎に包まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます