休まらない現実

若菜は手足の指先の痛みで目を覚ます、正面の鉄格子越しにノーズが嘲笑うかのように座っていた。


「やあやあ、おはよう。気分はどうだい?」

「........」

「うーん何も喋れないか〜...あれだけ悲鳴あげてたら喉も枯れちゃうよね」


牢の鍵を開け中に入ってくると食事を若菜の口元へ運んでくる。


「ほーら、口を開けて、あーん」


ノーズに言われるがまま口を開きサンドイッチを捻じ込まれた。


「!?....ゴホッ!ゴホッ!」

「こら!吐いたらダメじゃないか!」


あまりの勢いにむせてしまい吐いてこぼしてしまった、すると頭を掴んで床に吐いた物を無理やり食べさせようとしている。


「残すのはよくないからね...いいかい、次は吐こうものなら...こうだよ?」


爪を剥がされた指を力いっぱいに握られのたうち回る。


「ああ〜、やっぱり泣き顔がいっちばんかわいいよ!」

「.....なさ........い........ごめ......ん.....な.....さい」

「なんだ〜、やっぱり喋れるじゃないか...はい、お仕置き追加ね」


左手を掴まれ手のひらの上から大きい釘を打ち込まれると、言葉にならないぐらいの悲鳴を上げてた。


「ッッッッッッッッ!!」

「ハハハハ、顔がぐしゃぐしゃじゃないか〜、けどごめんね〜、嘘をつく様な子にはこれぐらいしないとわからないでしょ?」


左手に刺さっている釘を足で踏みつけ体重を掛ける、あまりの痛さに気を失いそうになるがこの魔女がそれをするはずがない。


「気絶で逃げようなんて、よくないな〜」


繋がれてる首輪から内側に毒が入った針が刺さり無理矢理起こされると、呼吸をするのが難しくなっていった。

若菜はまだ比較的に無事な右手で喉を押さえもがき苦しみ始めるとノーズは恍惚とした表情で見下ろす。


「ハァ〜、かわいいよ、可愛すぎる!何これ天使なの!?」

「はぁ....はぁ.....くる.......しい........」

「大丈夫だよ、死なせないから」


胸元から解毒剤が入った瓶を取り出し若菜の口元へ流し込む。


「......はぁ.......はぁ......はぁ」

「次は若菜がもっっっっっと可愛くなるような実験を用意してるから楽しみにしておいてね、えい!」

「い゙っっっっ!!!」


左手に刺さっている釘を勢いよく引っこ抜き両腕を手錠で繋ぎ両腕を天井から吊るした。


「いいんだけど...うーん、ちょっと違うな〜」


吊るされている若菜をカメラで撮ってテンションは上がってはいるが少し不満顔をしている。


「まっ、いっか!これはこれで美しいし!」


♦︎ ♢ ♦︎


ピチョンピチョンと水滴が床に落ちる地下牢で小さな灯火に照らされて映る若菜の目は虚だった、少しは信じていた、怪我を手当てしてくれたり美味しいご飯を与えてくれたりと、いたせり尽せりだった...それなのに今までのこと全ては自分を地獄へ叩き落とすための手順に過ぎなかっのだから。


「.......ん......うっ...........いた........」


吊るされている手首に手錠が食い込み続け血が出始める。


「.....いたっ!」


若菜自身の体重に吊るしていた鎖が耐えられず下に落ちる、突然の事で受け身を取る事もできずに床に転げ落ちボロ雑巾の用に床にひれ伏した。


「.........あ........う.......」


なんとか顔を上げるとさっきは痛みでそれどころでは無かったが牢屋の入り口が開いてる事に気づいた。


「......にげ......な.......きゃ..........」


満身創痍な体にムチをうち、まだ動く腕や肩に力を入れて引きずりながらも外へと向かう。


「....ん.......ふっ........はぁ.......はぁ」


なんとか階段も登り終え玄関らしき所へ体を引きずりドアノブへと手を伸ばして扉を開いた。


「........な.........んで........」


扉の前にはノーズがしゃがんで膝に手をつきまるで来るのがわかっていたかのように嘲笑っていた。


「ふふっ、まさか、ここまで計算通りに動いてくれるなんてね...あ、その顔いいね〜」

「ご.....ごめんな.........さい....」

「んー?何で謝るの?逃げようとしたから?でもでも、謝るってことはそういう事だよね?」

「ご....ごめんなさい..........ぶ......ぶたないで」

「えぇ〜、先に悪いことをしたのは若菜だよ?それはなのにぶたないで〜とかさ、都合がいいんじゃないの?....お仕置きね」


その言葉を聞いた瞬間、若菜は逃げるように後退りをするがいつの間にか首輪についていた鎖で引っ張られるとそのまま地下牢へと連れて行かれるが若菜は必死に抵抗して体をジタバタとさせるが今のボロボロの状態では無意味に等しかった。


「そんなに怯えなくて大丈夫さ、今日は思考を変えるつもりだから」


そう言い、いつもとは違う部屋へと連れてこられると室内の真ん中に椅子がポツンと置いており、そこに座らされ縛られる。


「ふっふ〜ん、後はこれをして完了っと」

「........?」

 

若菜に目隠しをするとノーズは部屋を出ていってしまった、これから何があるんだろうと体をこわばらせるが長い長い拷問生活て寝れていなかったため今のうちにと寝てしまった。


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世界平和のために愛される私 鷲宮 乃乃@X始めました @koyomad

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