失い続けるワタシ

若菜ちゃんと添い遂げて2年が経った、今日も私は彼女と愛し合う。

お盆に料理を乗せ私たちの寝室へと行くと部屋へ入るとベッドの上で若菜ちゃんが怯えていた、今日もか、と私はため息を吐いた。


「若菜ちゃん?」

「....ひっ!?....だ、だれ!?........ち、ちかよらないで!!」


触れようと手を伸ばす、すると彼女は更に怯えて距離をおき後ろへと下がっている内にベットの下へ落ちると毛布を頭から被りその場にうずくまってしまった。


「.....ごめんなさい.....ごめんなさい!....おねがいです!.....ころさないで!」


ここ最近、薬の副作用か忘れっぽくなってきている、今日はまだかわいい方だが酷い時なんて自分の名前すら忘れる時もあるぐらいだ。

とりあえず私は今の若菜ちゃんを落ち着かせることにした。


「若菜ちゃん?落ち着いて?」

「いや!離して!」


暴れて落ち着きそうもないから実力行使に出た私はキスで口も塞いだ。

舌を絡ませくちゅくちゅと音を立てて若菜ちゃんが息を切らすまでキスをやめなかった、必死に抵抗してきたが体が覚えていたのか自然と彼女は抱きしめてきてくると、若菜ちゃんは困惑していた。


「.....はぁ.....はぁ......もう....やめて」

「だ〜め」 


私の上で下で横で彼女を狂ったように快楽へ堕としていくと若菜ちゃんは気づいたら気を失い布団をかけてあげると来訪者を知らせるチャイムが鳴る、私は天使の姿に戻り警戒態勢に入った。


「いつか来ると思ってたけど、まさか来るとはね...待っててね若菜ちゃんすぐ退治してくるからね」


そーっと玄関の扉を開くとそこには誰もいなかった、後ろの方から窓が割れる音がしたので、まさかと思いリビングの方へ行くと若菜ちゃんがあの吸血姫供に攫われそうになっていた、それを見た私は近くにいた魔王に殴りかかる。


「若菜は返してもらうぞ!」

「ふざけないで、私のよ!」


若菜ちゃんをおんぶしワープゲートをくぐり逃げる3人を追うと、久しぶりに来る世界に懐かしむわけもなく目の前に屋敷へと入った。


「若菜ちゃんを返しなさい!!」

「誰?...あなたは...あの時の」

「ここに若菜ちゃんを攫った3人がいるはずよ、出しなさい!」

「お姉様?...ここ最近帰って来てないわよ」

「嘘言わないでよ!」

「嘘なんか言わないわよ!」


目の前の獣人の胸ぐらを掴みかかって口論になるったが、目の前のコイツは嘘をついている様には見えなかった...なら若菜ちゃんは何処に?


♦︎ ♢ ♦︎


あの天使から逃げ切った私達は若菜様をベットへ寝かせ、準備をして起きるまで時間があると踏み、予め3人で決めた約束を確認した。


「それじゃあ、今一度確認しますよ?」

「おう、1日ずつ変わりばんこで若菜とすごすんじゃったな」

「そして、それで最終的にこのペットに1人を選んで貰う...だったわね」

「恨みっこなしですよ?」


3人でそれぞれ順番を決めると最初は私と言うことになり、2人は睨まれながらも部屋から出ていくのを見送ると若菜様の寝顔を見ながら待っていた。


「2年ぶりですからね...今夜は寝かせませんよ、なんて...そうだ、まずはご飯ですね、すぐバテてしまうのは何としても避けませんと」


キッチンへ向かい一つ一つ愛情を込めて作っていき、これからの幸せな時間を楽しみに足早に部屋へと戻っていくと、若菜様は目を覚まして私の方を見てはビクビクしていた。


「起きたのですね、おはようございます若菜様!」


机にご飯を置き撫でようとすると怯えた様に言葉を発した。


「あ...あの...ここ...どこ....だ...だれ?」

「は?」


どうやらあの時の調教が2年でリセットされていたのか、ムカついた私は気がついたら若菜様を引っ叩いた。


「.....な...なんで?」 

「まあいいでしょう、わからないなら思い出させるまでです」

「....やっ.....やめて....はなして!」

「いいから、大人しくしてて下さい!」


ベットは押し倒して乱暴に首元へかぶりつくと、悲鳴を上げて苦しみ始め足元をじたばたし始めた。


「あっ!いっ.....ん!やっ!」


このままちゅうちゅうしても良かったが、せっかく目を覚ましたのに気絶されては困るので、一度顔を上げた。


「チャンスをあげます、私の名前は?」

「ご.....ごめん.....なさい.....」

「謝罪を聞きたいわけじゃない!もう一度聞きますよ....私の名前は?」

「ひっ.....し.....しらない......ごめん.....なさい.....ぶたないで......」

「なら、思い出すまで教えてあげます...体にね」

「や....やだ....た...たすけ.....おかあさん!」


どうやら本当に忘れているみたいですね、これは...おかあさん、その言葉を聞いた私は髪を乱雑に掴み目を合わせた。


「言いましたよね...私といる時は他の人の名前を呼ぶなって!」

「い...いた.....はなして.........いたい....」

「離しませんよ、忘れた若菜様が悪いんですからね」


彼女は終始泣き続けたが、私は容赦なく調教をしていったが若菜様が思い出す事はなかった。

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