鳥籠の中での生活

私、ユードリッヒ・フリード・ワルキューレは今とても気分がいい、何故ならずっーーーーと前から狙っていた運命の人若菜様が手に入ったからだ、その若菜様にユーなんてあだ名まで貰ってしまって、本当に嬉しいです、部屋の前に着くと私は愛しの人を愛でるために部屋に入る。


「若菜様、おはようございまーす!朝ですよー!」


反応がありませんね、もうとっくに彼女は起きていなければいけない時間のはずですが...これにはもう慣れました...こういう時は簡単に起こせるのでそこまで苦ではありません...寝ている若菜様の指を噛めば


「い゙っ!?」


この通り起きてくれます、まあ指からとれる血はそこまで美味しくは無いんですけどね。


「おはようございます、ぐっすりでしたね?私が言ったこと覚えていますか?」

「ご...ごめんな...さい」


謝ってほしいなんて言ってないんですが。


「覚えていますか?」

「ご...ごめんなさい!」


んー、聞こえていないんですかね?


「覚えているか、覚えていないかを聞いているのですよ?」

「お...覚えて...ます...」

「私、なんて言いましたっけ」

「...あ、朝...ユーが来る前には...お...起きてる事...」


そんな泣きながら言われたら、興奮するのでやめてほしいですね。


「なら、なんで起きてなかったんですか?」

「その...つ、疲れちゃってて...」

「話す時は目を見てって言いいましたよね、何度も言わせないで下さい」

「っ!ご、ごめんなさい!」


圧をかけるとビクッと震えるその姿はなんと愛くるしいんでしょうか、ですがいくら若菜様でもそう何度も約束事を破られると流石の私も我慢は出来ません、若菜様に付けている鎖を引っ張り無理やり近づけさせる事にした、何かを察したのか、顔をぐしゃぐしゃにしながら謝り始めてしまいました。


「ご...ごめんなさい!い...言うこと聞くから!や...やめて!離して!やだ!」


逃げようとしましたが付けている鎖がジャラジャラと鳴るだけでその場から逃げる事は叶いませんでした、ですがせめてもの抵抗か布団を被り、襲われないように必死な姿も...良いものですね♪


「ここに来てからずっとヤってばっかりでしたし、そろそろ別な躾もやってみましょうか」


あらかじめ用意していた、別な躾を試すとしましょう。


「若菜様、今回はお預けにしておきます、だから出て来てくれませんか?」

「....ほんと?」

「...代わりにと言ったらアレですがゲームをしましょう」


まだ信用されていないのか布団を体に巻き、頭と腕だけをだして向き合ってくれました。


「簡単なゲームですから、そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ」


若菜様が勝てる確率は0...ですけど。

 

「行うゲームは鬼ごっこです、勝てばあなたを帰してあげます」

「...ま、負けたら?」

「...ふふっ、その時は楽しい楽しい躾が待っているだけですよ」


結局はヤるんですけど、こういうのは楽しくやった方がいいじゃないですか、高揚感を抑えながら枷を外す。


「時間は...30分にしましょう、若菜様には10分あげます、さあ今の内に逃げていいですよ?」


私の言葉には耳を傾けず、部屋を出て行ってしまいました、ですが若菜様はここに来てからこの部屋にしかいなかったですし、迷子にならないか心配です。


♦︎ ♢ ♦︎


勢いよく部屋から出たもののすぐ疲れてその場にしゃがみ込んでしまった。


「はぁはぁ...はぁはぁ...駄目だ、走って逃げるのは....はぁはぁ...厳しいかも...」


咄嗟に近くの部屋に入りタンスの中へと隠れ、息を殺す、だか私は忘れていた、自分の首に入れられているものの事を


「みーつけた...もうこれは鬼ごっこですよ?逃げないとダメじゃないですか...まあ、いいです、部屋に戻りましょう躾の時間ですよ」

「...いや...躾やだ!!」


もうあんな思いはしたくない、自分でもみっともないと思うほどに体をジタバタさせ、振り払いその場から逃げる事は...出来なかった。

鎖が足に巻きついて来たからだった、しかも急に来たため私は前に勢いよく転んでしまった。


「ダメじゃないですか、若菜様は負けたんですから...また逃げられたら面倒ですね」


足にしかついていなかった鎖が体中に巻きついて口元にも巻かれ猿轡のような形になってしまった、そのままユーは私が巻かれた鎖を引きずって、さっきまで居た部屋まで戻ってくると、私は再び四肢を拘束される...そして躾が始まった...誰でもいいから早く...助けて。



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