とんでもないヤンデレ愛されました
私はゆっくりと目を覚ますと体が妙に重かった。
「なに...してたんだっけ...?」
ボーっと天井を見ていると腕が重かったので、重さを感じる方を向くと美少女が腕枕で寝ていた、そして私は徐々に思い出していく
「今、何時だっけ」
スマホの時計を見ると11:38となっていた、不味いと感じながら、ユーを起こさないようソファのクッションをユーの頭の下に置いて、首元の傷はとりあえず髪を降ろして誤魔化そう。
「一応、メモに書いてっと」
重い体を引きずりながら、どう言い訳をしようか考えていた、さっきまでの事を馬鹿正直に話しても信じてもらえるわけがない。
「はぁはぁ、やっと着いた」
いつもなら15分で行けるのに今日は30分もかかってしまい、ようやく学校に着く、自分のクラスに入ると唯一の友達で幼馴染である、吉野遥が駆け寄って来てくれた
「おはよう遥」
「もう、お昼だけどね、何かあったの?」
「えっ!?まあ寝坊...かな」
まあ嘘ではないよね?
「へえ〜珍しいね、若菜ちゃん今まで遅刻とかした事なかったのに」
「うん、私も驚いてる」
ユーの事とか地球滅亡の事とか色々考えながら時間は過ぎて行き、あっという間に下校の時間になった
「若菜ちゃん、帰ろう?」
「ごめん、先生に呼ばれてるから先に帰ってて」
「あー、午前中まるまるいなかったもんね...うん、わかったじゃあまた明日ね?」
「うん、ごめんね?」
私は謝ると「いいよ〜」と言い遥は帰っていった、そして職員室に聞くと案の定と言うべきか色々と言及されたがなんとか寝坊でゴリ押しした、埒が開かないと思ったのか「もう帰っていい」と言われたのでいそいそと帰り支度をして校舎を出ると校門の方に人だかりが出来ていた、正直嫌な予感しかしない。
「あっ、若菜様!お帰りなさい!」
「ユー、どうしてここに?」
「それは〜、愛の力です!」
不覚にも可愛いと思ってしまった...
「坂井さんの知り合い?」
「この子とどういう関係なの!?」
「ご、ごめん!!」
今日1日の出来事がありすぎて頭がパンクしそうな私はユーの手を取り急いで家に帰った
「もう...若菜様ったら大胆ですね」
「いや、違う違う、私が聞きたいのはなんであそこにいたの?どうやって来たの?」
「ああ、実はあなたが寝ている時に私の星特性の発信機を入れさせていただきました」
「ちょっと!取ってよ!」
そんなもの入れられてたのか、私は学校に行く時のカバンを降ろして発信機を取るために中身を漁る
「ない、ないんだけど!?」
「カバンには入れてませんよ?」
「じゃあどこに入れたの!?」
ユーの肩を掴み揺らすと満面の笑みで言った
「体の中です♪」
「...え?」
「寝ている時にスッと入れさせて頂きました、これがあればあなたがどこにいても直ぐに見つけられるんですよ」
な、何を...言っているの?
「取れる...よね?」
「.....ふふ♪」
「いや、ふふじゃなくて!取ってよ!ねえ!」
気づけば私は天井を見上げていた、ユーによって押し倒され、首に再び噛まれる
「ねえ若菜様、私の種族って吸血鬼なんです」
「なにっ!?...急に、離してよ!」
ずっと思ってたけど力強い、振り解こうとしてもピクリとも動かない
「ふふっ可愛らしい」
「離してよ...お願いだから...ねえ!」
「なら誓って下さい」
私の前に紙を見せてきて、更に恐怖で震え上がった
一、ユードリッヒ・フリード・ワルキューレ以外と話てはならない、話す場合は許可を取ること
二、ユードリッヒ・フリード・ワルキューレ以外の名前を出してはならない
三、ユードリッヒ・フリード・ワルキューレが求めたら必ず血を献上する事
四、ユードリッヒ・フリード・ワルキューレの許可なしに喋ってはいけない
と、どう見てもほぼ奴隷契約みたいな誓約書を出された
「なに...それ...私の自由ないじゃん!」
「ありませんよ?」
疑問をぶつけると即答で返された
「じゃあ若菜様、まずは学校を辞めて下さい、そして、私が用意した部屋に引っ越ししてそこで2人で一生を過ごしましょう?さあ、早くこの契約書にサインして下さい」
もう泣きそうだった、だがここで折れてはいけないと強気にでる。
「い、嫌に決まってるでしょ!ふざけるのも大概にしてよ!」
「ふーん、まだそんな態度を取るんですね...ちょっと強引ですが仕方ないですね」
ユーは私の親指を掴み勢いよく噛んで血を出させ、契約書に無理やり判をおさせようとして、もちろん私は抵抗したが抵抗虚しく判を押してしまった。
「はい、契約完了です♪これから末長くよろしくお願いしますね?」
「いや...いや!!」
ユーを無理やりどかして警察に通報をしようとするとスマホを取られ目の前で壊され、私の体は金縛りかかったかのように急に動かなくなった。
「な、なんで動かない...の?」
「吸血鬼の力ですね、じゃあ早速移動しましょうか」
手首を力強く掴まれると、呪文のような物を唱える、そして光に包まれ気がついたら知らない部屋にいた。
「さ、ここが今日から私と若菜様のお家ですよ」
「...帰してください...お願いします」
私はもう恥も外聞も捨てて土下座をした、涙がポロポロと出て声も震えながら、なんとか言いきった
「なんと可愛らしい...でもダメですよ?契約したじゃないですか、あ...そうだ、こっちでは結婚する前にプロポーズ?とかいう奴をやるんでしたよね」
だめだ話が通じる気がしない...
「坂井若菜さん、私と結婚して下さい!」
膝をつき、指輪の入った箱を出してきた...私はそれを叩き落とした、冗談じゃない。
「ふざけないでよ!!早く帰してって言ってるじゃん!!」
自分でも初めてかってぐらい怒鳴った
「そう...ですか、なら仕方ありませんね」
「...帰して...くれる?」
「...返すわけないじゃないですか」
突如私は何かによって体をベットまで引っ張られ手足に枷をつけられた
「それじゃあまずは体から堕としていきますね、私無しでは生きられないぐらいにしてさしあげます...」
「やっ,..やめ...」
抵抗しても鎖がジャラジャラと鳴るだけだった
かぷっと首元を噛まれ、意識が遠のいていく、最後に見えたのは顔を紅潮させたユーだった
「たっぷりと愛してあげますからね、もうどこにもニガサナイ」
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