第2話 ミステリアスな彼女

転校生が来て二週間が過ぎた。

ここしばらく見て思ったが彼女はかなり優秀だった。

 体育の授業徒競走やバレーやバスケットでは見事優秀な成績を打ち出し、どれもトップに

輝いた。

 まだ転校してきはばかりで授業にブランクがあるのではと思われたが抜き打ちテストで満点を出し、授業でも数学の難問にも黒板にスラスラと答えを書き、あやゆる面で万能だった。

 どの教科においても平均点な僕とは大違いだ。


ある日放課後の夜8時が過ぎようとしていた。

 僕は友人との付き合いで帰るのが遅くなったのだ。

 たまには飯でも行こうぜ、と案を出したクラスメイトの付き添いに乗ったら話が盛り上がり、その勢いでカラオケにまで行こうぜ、という話になり付き合っていたら遅くなってしまった。


近道といわんばかりに僕は山道の方を通ることにした。

僕の家は祖父が元々住んでいた家で山の近くにあるからだ。

最近熊が出るという噂もあったがこの辺りはまだ民家もあるそれに僕の家は山に面しているわけではないので大丈夫だろうと思っていたのだ。

今までにもたまに使っていた林の通り道を走っていた。


しかしそこで異変に気が付いた。

走っていた先に謎の黒い物体があったのだ。

「?」

僕はその異変に足を止めた。

黒い物体は何やらおたけびを上げていた

そこは住宅地もあと五十メートルほど先にある比較的に安全だと思っていた場所。

だから今まで何度もここを通って帰っていたのになんとこんな場所に生き物が暗闇の中うごめいていた

「まさか…嘘だろ!?」

こんなところに熊が出るなんて!


こんな住宅地の近い場所に熊が出るなんて普段はありえない。

熊は山の中にいてここまで降りてくることは滅多にないのだ。

僕の体は驚きに蛇ににらまれた蛙のように動けなくなった

「ふるる……」

熊がこちらへ脅威を向ける。

今は武器になるものは持っていない。熊を追い払うことはできない。


しかし熊は背を向けて逃げようとするとかえって興奮すると聞く

熊が爪を振り上げた。

「くそっ!」

僕は熊の腕を交わして素早く木々の方面に逃げる。

自分でいうのもあれだが僕は昔から運動神経だけはよかった。

中学時代もその持ち前の才能でバスケットボール部でエースをしていたがとある事情でやめることになったけど。

その自分の特技を生かしてなんとか熊より距離を取った。

このまま逃げ切れないかと思えたがこの先あと五十メートルほど走れば山道が終わり住宅地へ出る。

しかしこのまま僕が住宅地に逃げたらこの熊が追いかけてきて住宅地に降りたらそれこそ大変なことになる。

もしも僕のせいで住宅地の人々を危険にすることになったら……。

人のいる場所に熊を呼び寄せたことも僕だけが逃げて他の人に危害を加えるのもだめだ。


だがどうすればいい?と考えられなくなった。

今から警察にでも通報するか?しかし間に合わない、まずスマホを出して電話をかける余裕もないのだ。

思考がフリーズしておもわず急ぐあまり地面の木の根につまずいて転んだ。

「しまった!」

腕に力が入らなくて立ち上がることもできない。

猛獣はこれとチャンスとばかり僕の方へ猛スピードで突進してきた。

「まずい!」

いよいよこの身の終わりか、と一瞬目を閉じだ。


「お前の相手はこっちだ」


 聞き覚えのある声それは最近うちのクラスへ転校してきた女子高生の者だ。


 僕のクラスの転校生・久田富美がそこにいた。


「久田さん!?」

「大丈夫?立てる!?」

なぜこの辺りに住んでる人じゃなくてはわからにような場所をこの町に最近来たばかりの転校生である久田さんがやってきたのか?

偶然通りかかっただけなのか?と思ったがそれどころではなかった。

「そっちへ走って!ここは私がなんとかするから!」と久田さんの指示に従い、僕は

「お前の相手はこっちだ!」

彼女の体は光り輝き手からは光輝く剣とのようなものが出てきた。

そして剣からは閃光弾のようなものが先走った。

「なにそれ!?」

謎の力に僕はつい反射的に聞いてしまった。

「今は説明している暇がない!」

猛獣の注意がそれて、知り合いが来た安心感もあったのか僕の体は動いた。

「そっちへ走って!」

そして僕は木の元へ走った。

「こい!」

熊が爪を振り上げると彼女はまるで体操選手のような身のこなしでひらりとかわし、熊の目に閃光弾をぶつける。

熊が興奮して動きがよたつくと彼女は持っていた光輝く剣のような武器で熊の体を貫いた

ぶしゃあ!と血が噴き出て熊の体が倒れる。

しばらくすると熊は動かなくなった。

どうやらこと切れたらしい

「終わったよ。もう出てきても大丈夫」

「あ、ありがとう」

この死体はどうなるのだろう?

いずれ誰かが見つけて熊の変死体があると騒ぎになるのでは。

そもそも猛獣が出たからといって勝手に殺してしまってもいいのだろうか?

と思ったらなんと熊の体は光を放ちその一瞬の間に消滅したのだ

「こんなとこ、見られたくなかったんだけど」

彼女は罰の悪そうに言った。

「今のなに!?君の体が光ってたけど?なんか剣みたいなものも出たよ?なんで熊の死体も消えたの!?」

僕はつい一気に色々聞いてしまった。

「これは……その……今は説明できない」

一度に矢継質問を投げかけ、彼女は困った表情をしていたことに。

「すまないが、今日ここで見たことは誰にも言わないでほしいんだ」

「で、でも、何あの能力?」

そういわれても納得がいかなかった。

「世の中人には言えない事情がある場合もあるんだ。君もそうだし、私もそうだ。すまないが今日のことは見なかったことにしてくれないか?」

あんな謎の能力を見たからにはあれを見なかったことにしろ、というのも無理な話だ。

「家はこの近く?自分で帰れる?」

「う、うん」

僕はそういうと久田さんは僕の変える方向と反対に足を向けた。

「じゃあまた学校でね河野くん」

そう言い残すと彼女はその場から走り去り、夜の闇へを消えていった。


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