第19話 スイーツ
俺達は歩きで近所のスイーツ店に。足取りも軽く跳ねるような美優。
不思議だ。弟の目から見てもモテるのは解る。何度友人たちに美優に合わして〜〜など言われて断り続けていたことか。
彼氏を作らないのが、美優が妥協しないのか、それとも既に好きな人がいるのか。
少なくとも俺の友人たちと付き合わせたくない。美優を本当に幸せに出来るか不透明だからなんだと思うが、本当にそうなのか…
今はこのままの心優でいてほしい。こうやって出掛けるのも美優に彼氏が出来たら無理になるだろうな。
複雑な心境だ。美優が俺のタイプじゃなかったらな。こんな気持ちにならないで良かった。
可愛い姉を持つと弟は苦労するなーーーーー
まぁ、嬉しいことに違いはないが…
【美優、なんで腕組んで歩いてるんだ?】
【えっ…えーと、いいじゃん。嫌?】
【嫌じゃないけど…あっ、なんかあるな?】
【うん、ここね。友達がよく来てるの】
【まさか、彼氏いるとか言ったのか?】
【てへっ!!ごめんねー。演技して。そうそう、欲しがってたスマートグラス買ってあげる。それでどう?】
【のった!!よし、任せろ!!!】
欲しかったんだけどさ、高いんだよ。
さすが美優。どこ行っても面接すれば即採用。
才色兼備!!って羨ましいよ。姉弟なのに…
何故こんなに差がある?
………………………………………………………
うわー、混んでる。出直すか?
【お二人様ですか?こちらの席で良ければ】
カウンターか…
【はい!!いいよね?正人】
【美優さえ良ければね】
カウンター席に案内されて、
【これこれ!!ストロベリーソースバニラアイスメープルシナモンパンケーキとコーヒー☕︎はトアルコトラジャ、正人も同じでいいね】
んんん???甘そうだ。まぁ、いいか。
カップルのフリしてご馳走になって、スマートグラスならね。何にせよ買ってもらえるって嬉しいな。
美優、近すぎないか…カップル感出してるんだろうけどさ。
それにキョロキョロして、何か気にしてる。
【美優、どうかした?】
【いるの!!お願いカップルのフリして】
【してるじゃん。もっと近づけってこと?】
汗とか、気になるんだよ、俺。
美優、震えてるじゃん。これは何かあったな。
店員からコースターとペンを借りて、
【おかしいぞ。美優、話せない内容ならここに書いて】
コースターに心優は、
※前の職場で言い寄られて、それが原因で辞めてるの。その人がすぐそばにいるの。しつこくて、怖くなって※
先に言えよ!!美優を怯えさせて、許さん。
ここ最近、俺と出かける時に、やたらカップル感出していたのはそういうこと!!
※話しつけてやる!!待ってて※
※駄目!!ここに居て。お願い※
美優がしがみついてきた。
そこに別の男…こいつも美優目的なのか!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます