第13話 バーチャルなのに?

 あの日から随分と過ぎたが、慌ただしい日々をただ過ごしている。今日は会えるかな?


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 この公園、ここで話すだけなのに、何故かホッとする。優奈、いてほしいな。


※【遅かったね、正人】※


 優奈!!やっと会えた。ほっとして、そして嬉しくて、


※【会いたかった!!あのさ、場所変えない?ここも少しずつ人増えてきたよ。優奈とだけはなしていたいんだ】※


※【バーチャルなんだから無視すればいいじゃん。気を使わなくても。それとも、私と2人きりがいいのかな?】※


その通りだね。


※【図星!!二人きりになりたい。積もる話がたくさんあるから】※


※【腹痛が痛いみたいになってる…】※


???


とにかく二人になりたいんだ。


※【ねっ、季節的に空いてるからウォータースライダーに行かない?そこは空いてるよ】※


確かに。そこは空いてるだろう。


バーチャルとは言え、季節もあるもんね。


俺達は二人でウォータースライダーへ。


 途中、優奈がログアウト。なんか用事あるって。俺はウォータースライダーの下で待機。


 姉の美優ことも、相談したいんだよな。同じ立場の弟がいる優奈なら解ることも。


※【ヒャッホーい!!どいてどいて!!】※


なんだ?声が聞こえる。わっ!!


※バシャーン!!※


 優奈?滑ってきたの?それにキャラが水着になってる。


※【まさか、キャラ変えてきたの?それでログアウトしてたの?】※


※【どう?ナイスバディ優奈ちゃん。惚れた?惚れ直した?どうどう?どうなのよー】※


確かに、ナイスバディ優奈だが、キャラだろ?


好きなように作れるよ。でも褒めないとね。


※【可愛いね。似合ってる】※


※【当たり障りの無い解答…つまんなーい】※


※【じゃ、なんて言えば良いんだよ】※


※【ぎゅーってして!!】※


 バーチャルなのに?ぎゅーって…訳わからない。そんなことが希望なら、


※【じゃ、近づくよ。はい、ぎゅー!!、】※


※【じゃ、私も、嬉しいー!!ぎゅー】※


はいはい、バーチャルだから…ん?


その瞬間、本当にぎゅーってされてた。


何だ?これは?優奈が出てきたのか?


バーチャルから?嘘だろーーーーー!!!!!


怖い😱ーーーーー、後ろ振り向くの嫌だ?


 感触はある…この僅かな数秒は背中側に全ての感覚が集まってる。


【なーにしてんの?正人?】


なんだ…美優か…焦ってとんでもない汗が…


あっ!!洗濯したよな、これ?


【美優、ちょっと俺汗臭いかも、離れて】


【全然臭くない。そんなこといって誤魔化そうとしてるね。どれどれ見せて、このキャラと話してるの?水着じゃん!!】


 美優、後ろから乗り出してPC見てるのって、その格好解ってる?仮にも俺、男だぞ!!


当たってるんだよなー、美優の…


美優、解ってないのか?


【あっ…】


【な、何?美優、てか、チャットしてるんだよ、もういいか?】


【うん…後で相談あるんだけど、いい?】


【後で部屋に行く】


【ありがとう】


うーん、焦ったぞ…


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