第12話 スリル
【綺麗な星空だったね、リラクゼーション効果抜群】
【あんなに爆睡するとはね】
【嘘!!寝てた?ウトウトはしてたけど】
よだれの後あるじゃん…
【次、これこれこれ!!大人気なんだよ】
【マジか…ヤバいな、これ】
ウォークインタイプのゾンビワールド。
【これさ、ちょっとパス出来ない?】
あれ?いないや。
どこ行った?美優。
走って戻ってきて、美優は笑顔で、
【イベント参加手続きして来た!!さーて、見つけるよ!!】
【何を?】
【いいの!!入れば解るから。お楽しみ】
…………………ゾンビワールド…………………
【うぎゃー、追ってきてる!!急げって、
痛っ、脛、さっき美優に蹴られたとこ!!美優急げって!!何やってんの、遅い!!】
何下向いてんだよ、早く行け!!
【もう、うっさいな!!男でしょ。少しは静かにしなさい】
【遅いんだよ、何してんだよ!!来てるって】
美優のこの遅さに、すごく苛立つ!!
【あった!!見つけた】
美優、しゃがむな!!
【危な!!】
美優に背中にぶつかった俺は、その状態で乗っかるようになって、
【ほら、しっかりして!!】
美優に支えられ、転ばずに済んだ。
【美優、後ろ、すぐそばに来てる!!】
【へへーん、あるもんね。これ!!】
美優はメダル?みたいなものをかざして、
※うぎゃーー!!※
全てのゾンビが倒れ込んだ。
これ、何の演出だろ。
※【素敵なカップルさん。おめでとうございます!!どうぞこちらへ】※
美優と俺は案内され、表彰台へ。
※【おめでとうございます!!こちらが年間パスポートになります】※
美優は抱きついてきて、
【やったー、これ、今日の目的だったんだ。このメダルを見つけると、こうなるの。カップル限定で参加出来るのだったから、正人にお願いしたの。ありがとうね、正人】
【あっ、そうなんだ。とりあえず離れて。みんな見てるからさ】
【そうだったね、ごめんね】
こんなに人がいる場所で抱きつけるとは、美優、そんなに嬉しかったのか。
………………………帰り道………………………
【今日は楽しかったね】
【デートみたいなったちゃったな、こんな姉と弟いないんじゃない?】
【カップル演じたもんね、なかなか様になってたよ、正人】
【美優もな、でもルール違反じゃないの?バレなかったけどさ】
【条件満たして入ったんだからいいんじゃない?ちゃんとキスして…とにかく、問題なし】
なんか、急に恥ずかしくなったな。
ほっぺとは言え、キスだよな、あれ。
その後、ほとんど話さず家に着いた。
母さん、帰ってるな。
【お母さん、お疲れ〜お土産あるよ】
【美優、こんなに遅くまで、バイク🏍️気をつけてよ。慣れてきた時こそ慎重に運転してよ】
【はーい、先にシャワーにするね。正人いいよね?】
【いいよ】
俺は手洗いしていると、かあさんが、
【何?そのほっぺ?】
【なに?】
【それ、口紅?美優といたんじゃないの?】
あっ!!これはちょっと、
【…オバケで、美優が転んで、俺が下になって】
苦しいかな?この説明。
【何やってんだか、美優もドジだね】
ふぅー、凌げた…
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