第11話 プラネタリウム

【やっぱ混んでる。イベント中だからかな?とにかく並ぼう、正人】


【ああ…】


 腕に力が入らない。相変わらずの落ちないようにする緊張と美優に触れないようにしたからだな。もの凄い左腕の筋肉疲労だ。



…………………大宇宙記念館……………………



※【一般のお客様はこちらに、イベント参加のお客様は左側に】※


【美優、これ何のイベント?】


【カップルとか、恋人とか、大好きな人とかで条件満たすと無料なんだって】


じゃ、俺達無理じゃん。


【美優、左じゃない。右だ】


【いいの、早く】


美優は強引に俺の手を引っ張り、


※【はい、次のカップルは〜さぁ、どうぞ】※



どうぞって言われてもね。姉弟なんですけど。



※チュ!!※



ま、まさか、美優、お前?



※【はい、仲良しカップルさん、合格〜行ってらっしゃい〜】※



 俺はただただボーとして、あまりにも不意打ちだったからね。



【正人、こっち空いてる。座って!!】


【美優、さっきの?】


【ほっぺで合格だったね。やったね!!】


【…先に言えよ】


【そんなこと私が言ったら並び直すぞ!!ってなるでしょ。挨拶みたいなもんなのに】


【当たり前だろ。姉と弟…ムグッ…】


美優に唇を抑えられ、


【始まるよ、静かに】



 ドームに一面に無数の星空が。本来なかなか見えないはずの星や星雲までくっきりと。


 優しいナレーション、説明を聞きながら、俺はずっと美優の横顔を見ている。星を見ていない。美優は何故彼氏を作らないんだろう?


 もし、血が繋がってないとか、ドラマや漫画にある話になったら、俺は美優のことどう見るんだろう?割り切れるのかな?


 友達や同僚には羨ましいと何度も言われてきた。聞き飽きたほどに。それだけ美優は可愛いってことになる。


 一人の女性として見てみよう。今だけ限定。そうなると美優は、性格は理想とは違うか…


 話すことは楽だ。昔から俺を知ってるだけあって面倒見てくれてもうざったく無い。


 バイク🏍️買って、最初に俺を乗せて、これってデートみたいになってるけど美優は相手が俺で良かったのかな?彼氏がいないから?


うーん、美優のこと、解らなくなってきた。


※グー…むにゃむにゃ…牡蠣…※


まさかとは思うが…寝てやがる!!


お腹いっぱいで、睡魔が襲ってきたのか。


 ふと、思ったけど、バイク🏍️って運転する人にあんなにしがみ付くものか?


※むにゃむにゃ…ありがとう…正人※


まぁ、いいか。いびきは勘弁な、美優。


 美優って、確かに優しい、可愛い、少しドジ、好かれる要素持ち合わせてるもんな。


姉じゃ無かったら…










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