第8話 バイク
休みの日は、特に連休は朝はゆっくりが基本だが、この日は早くから起こされた。
美優と出掛けることになって、なんと、なんと、密かに買っていたバイクがその日の午前中に届いた!!
【美優、免許?持っていたの?】
【今日までバレなかった美優ちゃん、偉い!!そしてついに1年過ぎた。職場で主任に教わってコツも掴んだ。主任と同じバイク🏍️探すの苦労したけど、ねっ?びっくりした?】
主任か…美優、信頼してるんだな。でも、
【びっくりも何も…これで行くの怖いな】
そんな言葉なんかどこ吹く風なのか美優は嬉しそうに、何かを持ってきた。
何という大きな袋。何が入ってるんだ?
中には、ライダースジャケット、プロテクターみたいの、フルフェイス、シューズなどなど、他にも入ってるが、それにしても凄い。
【ボーナス吹っ飛んだ!!ただでさえ少ないのに、感謝してよね、優しい姉を】
嬉しそうな美優、全て揃えてくれてるって優しいよな、確かに。
嬉しそうな美優、少しかまってやるか!!
【どしたの?正人?カッコいいの選んだつもりだったのに。この前サイズも…あっ…】
サイズ?そうか!!夜中にこそこそと部屋に来て、俺が簡単には起きないことをいいことに。そういうことか!!
じゃあ、ドッキリ大作戦!!
【美優、ありがとう。素敵なデートにしよう】
そう言って、俺は美優を抱きしめた。
さて、どうなるかな?美優に突き飛ばされるのを考え俺の背中側にはソファーが。何の問題もないな。
【ま、正人、ちょっと、喜んでくれるのは嬉しいけど、こういうのは、ちょっと…】
姉と弟だもんな。こんなのありっこ無い。面白いからもう少し続けよう!!
【美優、もう少しこのままで…】
なかなかのアクターだ、俺は。
演技だが、美優のシャンプーなのか?良い匂い。いかんいかん、これはドッキリだ。俺が仕掛けているんだ。
美優、大人しいな…ぶっ飛ばされると思ったけど?想定してないな、この展開。
美優?
慌てて離れた俺は、美優の様子を見て、
泣いてるの?
【美優?ごめん、ふざけ過ぎた…】
【ううん、嬉しいの。ありがとう正人】
キス?しようとしてる?待て待て待て!!
いや、それは、姉と弟として間違ってる。
美優は目を閉じて、駄目だろ〜
落ち着いて、落ち着いて、
その瞬間、美優は目を開けて、ニヤリ…
【んな訳あるかーい!!それ!!】
突き飛ばされ、俺は後ろに。
ソファーあって良かった。ふぅー…くそっ、ドッキリ仕掛けたの俺だったのに!!
【さぁ、早く着替えてこようっと!!お母さん、朝ごはんは?正人も早く着替えて】
美優は部屋に戻って行った。
母さんは、
【急いでるんなら、手伝いなさいよ!!美優。あれ?いないの?じゃ、正人、これ運んで。暑いから気をつけて】
【…うん】
俺は焼き魚を持つと、母さんは、
【くさっ!】
焼き魚?そんなこと無いけど?
【焼き魚なんてこんなもんだろ?】
【あんたのそれ!!いつから着てるの?洗濯機に早く出しなさい。もう凄い汗臭い!!!】
えっ?じゃあ、さっき美優は?
臭くなかったの!!?
あいつの嗅覚大丈夫か?
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