第5話:出会い
ギルマは意識を取り戻しかけていたケンが脳に電撃を流されて再び洗脳されてしまったのを見て言葉による説得はできないのだと悟った。しかしケンを追っている時間はない。次に向かうべきは都市全体を支配しているカイトだと決意した。
「ここがカイトに支配されている都市か。」
ギルマは街の中心部に足を踏み入れると、まるで異世界に迷い込んだような感覚に襲われた。高層ビルが立ち並び、先進的な技術が至る所に溢れている。人々の表情は無機質で、どこか機械的だった。
「カイトの支配力はこの街全体に浸透している…」
ギルマは周囲を観察しながら、カイトの動向を探る手がかりを見つけようとした。彼はまず、情報を集めるために地元の人々と接触することに決めた。しかし、誰もが口を閉ざし、カイトの名前を口にすることを恐れているようだった。
「お前はこの街に何をしに来た?」
突然、背後から声がかかった。
振り返ると、見知らぬ男が立っていた。男の目には警戒心が宿っている。
「カイトについて知りたいんだ。彼の計画を止めたい。」
男は一瞬考え込み、そして小声で言った。
「なら、こっそり来い。話せる場所がある。」
ギルマはその男の後を追い、暗い路地裏に入った。そこで彼は、カイトに反抗するレジスタンスのメンバーたちと出会った。彼らはたったの4人しかいなかった。
「カイトは、都市のエネルギー源を完全に掌握している。」
リーダー格らしき男が語った。
ギルマはその言葉を聞いて緊張感が高まった。
「エネルギー源を支配するとは、具体的にどういうことなんだ?」
「奴は街の全ての電力を管理する中央制御室を支配しているんだ。そこを押さえれば、全てのインフラを掌握できる。だから市民は完全に奴の意のままだ。」
リーダー格らしき男は憤りをこめて言った。
ギルマはカイトを一刻も早く止めないといけないと思った。
「俺がカイトを止める。中央制御室はどこにある?」
「カイトに一人でなんて無理に決まってる!あいつは機械人間なんだぞ!」
ギルマは黙って腕から光線を出した。
「実は俺もなんだ。」
ギルマの言葉に、レジスタンスのメンバーたちは一瞬の沈黙に包まれた。リーダー格らしき男が驚愕の表情で問いかける。
「本当に、機械人間なのか?」
「そうだ。強化された身体を持っている。」
ギルマは力強く言った。
「だから、カイトを止めるんだ。」
「確かにあんたならカイトと対等な戦いはできるかもな。でも、ここはカイトに大切な人を殺された奴らで構成されている。せめて俺たちも連れて行ってはくれないか?」
リーダー格らしき男がそういうと、ギルマはその熱意に押され了承した。
「名前は?」
リーダー格らしき男がそう言う。
「ギルマ。あんたは?」
「俺はリト、このレジスタンスのリーダーだ。」
リトが言うと、ギルマとリトは握手を交わし、互いの信頼を深めた。その瞬間、レジスタンスの他のメンバーたちも緊張をほぐし、結束を感じ始めた。
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