第5話
夏音に声をかけることなく、また先に帰った舞花は、帰宅してからも心がざわついていた。自分の中に渦巻く感情を、どう整理すれば良いのか分からない。でも、これ以上自分に嘘をつくのは嫌だと思った。
「そうだ…手紙を書こう」
舞花は決心して、机に向かい、便箋を取り出した。そして、夏音に自分の気持ちを伝えるために手紙を書くことにした。
「夏音へ、
昨日、教室で友達と楽しそうに話している夏音の姿を見て、少し驚いたんだ。いつも元気で明るい夏音だけど、その時の笑顔がすごく素敵で、なんだかドキッとしちゃった。正直に言うと、その笑顔を見て、私は不安になったんだ。
どうしてかは自分でもよく分からないけど、ただ、私もあんなふうに夏音と笑っていたいって思ったんだ。友達としての関係はもちろん大事だけど、私の中にはもう少し特別な気持ちがあるみたいで…。
なんだか変なことを書いちゃってごめんね。でも、ずっとこの気持ちを胸にしまっておくのは辛くて、ちゃんと伝えたかったんだ。
舞花」
舞花は、手紙を書き終わると少しホッとした。自分の気持ちを整理し、正直に伝えることで、少しだけ心が軽くなった気がした。
「明日、この手紙を渡そう」
舞花はそう決めて、手紙を丁寧に封筒に入れた。
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