モブに魔王は難易度高すぎませんか!!?
エデン
第1話 モブライフ終了のお知らせ
僕の名前は立川友也。
これと言った特技もない平凡でテストはいつも平均点で運動能力も平均値である。
まぁ、どこにでもいるモブというやつだ。
だが、僕は今のこのモブライフが嫌いではない。
むしろ好きだ。
別に僕はなんにでも挑戦する勇猛果敢タイプでなければ、戦いをこよなく愛する戦闘狂でもない。
のんびり、まったり……
そういう人生が好きなのだ。
しかし、突如として僕のモブライフは終わりを告げた。
死んでしまったのだ。
原因は一撃で死んでしまったので死んだ僕には分からない。
ので、目の前にいる女神様に聞いた。
「可哀想に……目立たなすぎるモブなせいでトラックに轢かれてペッちゃんこなんて」
女神様はシクシクと泣きながら僕の背中をさすった。
慰めてくれている感じでているけど、さりげなく笑っているの気づいてますからね……
僕は心の中でこの女神は大丈夫なのかと疑心が生まれるが女神様から放たれた言葉にそんな疑心は吹き飛んだ。
「あなたには第二の人生を歩む権利を与えましょう!」
「第二の人生……、つまり転生ということでしょうか?」
「その通りです。あなたはやり直せるのです異世界に転生して!」
女神様は両手を広げると僕に凄いだろと言う。
まさか、異世界転生が本当にあるとは!?
驚きを隠せない僕に女神様はさらに僕に特典を言った。
「そして、異世界に転生する人には一つだけ女神にお願いごとができます。さぁ、私に何でも願いを言ってください!!」
そう言われた僕は腕を組んで考える。
だが、ここはあれしかないだろう。
異世界ファンタージが好きな僕は一度は使ってみたかった憧れを女神様に願った。
「僕を魔法使いにしてください!!」
「魔法使い! 素晴らしいです。これで、あなたはモブから脱出して天才になるのですね!」
「いえ、異世界でモブとして生きるために死なないためです。僕は異世界に行ってスローライフしたいので」
「あぁ、そうすか……」
女神様は呆れながらそうつぶやくと僕の目の前に扉を作り出した。
これを通れば僕は晴れて異世界転生を果たすのだ。
ラノベで読んだ通りの展開に胸を躍らせた僕はさっそく扉を通り抜けようとすると、女神様に一つだけお願いされた。
「その……友也君が生まれる王国の近くにある迷宮に獣人の双子が封印されているのですが助けてもらえませんか?」
「それくらいなら構いませんよ」
「本当ですか! ありがとうございます。それでは、良い異世界生活を」
女神様は僕に手を振ると僕を見送った。
僕はどこか嬉しそうな女神様に見送られながらも異世界に転生したのだった。
まさか、この女神の頼み事によって僕は魔王にされてしまうなんて、この時の僕には想像すらできなかった。
――次回に続く。
モブに魔王は難易度高すぎませんか!!? エデン @eden3
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