イケナイこと 8

 ホテルは部屋にミニプール付のリゾートホテルに泊まった。

 宿泊代は僕が支払う。これくらいならべつに。


「水着持ってきたんだよー! えへへ」


 部屋について早速、プールを確かめる。周りはきちんと囲いがなされていて、そもそも高所にあるし、人が覗けないようになっている。ミニプールというか、ぬるめの温泉みたいな感じだった。


「入っておいで」


「うん、お兄ちゃんも入ろ!」


「あとでね」


 苺果ちゃんが着てみせてくれたのは、白い清楚そうなワンピース型の水着だった。


 かわいい。これには思わず写真を撮影してしまう。


 インスタ映えしそうな浮き輪は、無料貸し出しだった。

 もちろん借りた。

 ナイトプールの写真でよく見るような、かわいいアヒルの浮き輪だ。


 子供みたいな歓声を上げて、苺果ちゃんはプールではしゃぐ。

 ラフな格好に着替えて、プールサイドに座っていると、水をかけられた。


「うわっ」


「苺果の強襲です! お兄ちゃんもプールに入りなさい!」


「あとでね」


「もう、そうやって〜。えいっ、えいっ」


 水をかけられて、かなりびしょ濡れになった。


「もー風呂入ってくるよ」


「えー行っちゃうの」


 お風呂もかなり広くて、浴槽に謎に光る装置がつけられていた。

 湯船が広いから入らないと損だろう。


 僕は服を脱ぎ、浴槽にお湯を溜めた。


「苺果から逃げようなんてずるい」


 お湯を溜めている間、風呂場で髪を洗っていると、後ろの扉が開いた。


「え、えっ!? ちょっと待って、裸見られるのは恥ずかしい」


「なーにが恥ずいんじゃ! 苺果だって裸じゃ!」


「えっ」


 反射的に振り向こうとしたが、理性で押し留める。


「ちょっと待って、それは反則」


「なにが反則なの!! 苺果たち、付き合ってるんですけど!!」


「付き合ってるからって一緒に風呂に入るとは限らない」




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