イケナイこと 4

 ……なんて真面目なことも、もちろん考えているけれど、苺果ちゃんの体を前にした欲望のほうが猛っている。


 何度も啄むように、キスをする。

 キスの合間に苺果ちゃんは微笑んで、「好き」と言う。



「お兄ちゃんになら、全部あげてもいいよ」


 苺果ちゃんも嬉しそうにそう言うものだから、なにも止めるものはない。

 苺果ちゃんの手は僕の背中に回されている。


 ピンクのワンピースの膨らんだ胸元に手を伸ばす。キスをしながら、ボタンを外して、ブラジャーを露出させる。苺果ちゃんはHカップだと聞いた。


「今日は黒だね……濃い色のほうが似あうよ」


「でもお兄ちゃんは白のほうが好きでしょ」


「なんで」


「そういうイメージだから。あはは」


 バレている。


 なんでか意外と苺果ちゃんは僕のことを見ている。

 僕が好きだから、なのだろうか?

 なら、僕も苺果ちゃんがしてくれるのと同じように、彼女のことに詳しくなりたい。


 今はもう思考は言葉にならず、苺果ちゃんしか見えない。キスはずっと深くなる。手の中で形を変える肉の感触を楽しむ。


「お兄ちゃん、こういうとき、すごくねっとりしてるよね」


 唇を離した隙に、苺果ちゃんが微笑む。


「そう言われても、ねっとりならず済む方法がわからない」


 女性経験、ないし。

 苺果ちゃんには、元カノがいないことを喜ばれたけれど、多分それはいいことじゃないと思う。


「……お兄ちゃん、かわいい」


 苺果ちゃんは、僕の髪の毛を撫でてくれる。


「かわいくないと思う」


 しばらく、そうして二人遊びをした。



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